高校生左腕が少ないといわれる今年のドラフトで、九州から世代上位の左腕が躍り出た。その名は伊藤 大晟(れいめい)。伊藤は昨…

高校生左腕が少ないといわれる今年のドラフトで、九州から世代上位の左腕が躍り出た。その名は伊藤 大晟(れいめい)。伊藤は昨秋の鹿児島県選抜に選出されるなど、県内では話題の投手だった。この1年で地道に実力を伸ばし、九州地区の担当スカウトから注目を浴びる存在となった。最速147キロの速球を武器に、夏の鹿児島大会では33回を投げ、35奪三振の快投。準優勝に大きく貢献した。本指名の可能性もある伊藤について迫りたい。

 力強く腕を振る投球フォームから繰り出す常時140キロ台の速球には非常に威力があり、今年はここまでのストレートを投げる左投手は少ないので、相対的に評価が高くなる。

  制球力も非常に高い。左打者の内角にも強いストレートを投げられるのが魅力。右打者にも強く、強気に内角を投げ込んで、ストライク先行で試合を作る。

 決め球になるのが、120キロ台後半のスライダー。打者の手元で鋭く変化し、高確率で空振りを奪える。左打者には追い込んでからこのスライダーを使って三振を奪う。チェンジアップ、カーブも投げるが、見せ球という感じで、まだ空振りを奪うほどではない。次のステージではこの2球種をもっと有効活用したい。

 ストレート、スライダーの2球種だけでしっかりと勝負できる制球力、ボールの精度の高さがあるので、引き出しも広い。投球フォームも右足を上げてから、体重移動まで、横ぶりになったり、体が突っ込んだりすることなく投げられるのが良い。しっかりと縦振りで腕を振ることができて、バックスピンがかかったストレートをコントロール良く投げることができている。追い込んで投げ間違えしない技術の高さ、精神力の強さは見事だった。

 今年、プロ志望の左腕は奥村 頼人(横浜)、吉川 陽大(仙台育英)が挙げられるが、この2人に負けない力量がある。この夏の活躍で、一気に世代上位の左腕まで上り詰めた。

 高校生左腕が不足している球団からは本指名の可能性もあるだろう。