藤川監督は勝利と育成を両立しつつ、リーグ制覇へひた走っている(C)TakamotoTOKUHARA/CoCoKARAne…

藤川監督は勝利と育成を両立しつつ、リーグ制覇へひた走っている(C)TakamotoTOKUHARA/CoCoKARAnext

 まずないだろう。しかし、可能性がゼロではないというのが、球界関係者の共通認識ではないでしょうか。

 ペナントレースもラストスパートに突入。セ・リーグは首位・阪神が独走しており、優勝まであとわずかに迫っています。2位・巨人とのゲーム差は実に16(9月2日現在)。阪神の貯金が30もある一方、巨人はAクラスながら借金2と苦しいシーズンを余儀なくされています。

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 しかし、日本シリーズに出場するのはあくまで、セ・リーグのクライマックスシリーズ最終ステージを勝ち上がったチーム。これほど成績に差があっても、優勝した阪神が本拠地・甲子園球場で「下克上」を許してしまえば、そこで終戦となる可能性もあるわけです。

 スポーツ紙のデスクは言います。

「今のチームの勢いを考えたら、普通はないでしょう(笑)。甲子園の熱烈な応援に後押しされて、順当に阪神が突破すると思います。しかし、勝負事は分からない。というのもここに来て、巨人の戦力が整ってきたんです。長期離脱していた4番の岡本和真が復帰して、打線がようやく『線』になってきました。投手陣は元々悪くないだけに、ノープレッシャーの『負けて元々』という捨て身で来られたら、阪神としては嫌でしょう」

 そして、こう続けるのです。

「まもなく阪神の優勝が決まるとして、レギュラーシーズンの最終戦は10月2日、甲子園でのヤクルト戦です。セ・リーグCS最終ステージの開幕は10月15日。約2週間のブランクが生じます。ここでいかに実戦感覚を失わないかが、重要になります。対戦相手はファーストステージを勝ち上がった勢いのままに、立ち向かってくる。巨人に限らず、DeNA、広島、中日にもまだまだチャンスはあります。阪神サイドが恐れているのは現在5位の中日が来ることでしょう。今季は9勝9敗とセ・リーグの5球団で唯一、五分の成績ですからね」(前述のデスク)

 もしも甲子園で宿敵の巨人が「下克上」を達成してしまったら、どんな光景が繰り広げられるのか――。制度上の欠陥が露呈しないように、猛虎には王者にふさわしい「横綱相撲」を期待したいところです。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]

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