MVPを巡る議論の渦中にいる大谷(C)Getty Images 名物記者が思わず本音を漏らした。 現地時間8月30日に公…

MVPを巡る議論の渦中にいる大谷(C)Getty Images

 名物記者が思わず本音を漏らした。

 現地時間8月30日に公開された米野球専門YouTubeチャンネル『Foul Territory』に、米メディア『The Athletic』のケン・ローゼンタール記者が出演。毎年のように巷を賑わせているメジャーリーグのMVPについて持論を展開した。

【動画】投球分析家も絶賛のカーブ!大谷翔平が三振を奪うシーン

 目下、米球界内で小さくない論争を巻き起こしているのは、ナショナル・リーグのそれだ。現時点で「有力候補」とされているのは、投打二刀流を本格的に再始動させた大谷翔平(ドジャース)ではあるものの、本塁打と打点でリーグ2冠を独走するカイル・シュワーバーが猛追。現地時間8月28日のブレーブス戦でMLB史上21人目の1試合4本塁打と大爆発したことで「オオタニよりふさわしい」という意見も噴出している。

 選手のパフォーマンスがあらゆる指標によって数値化される昨今はMVP投票も難儀。投票権を持つ全米野球記者協会の厳選された30人の記者たちに対する批判も強まる事態ともなっている。

 ゆえに投票者たちは熟考に熟考を重ねるわけだが、ローゼンタール記者は「私の考えはシンプルだ。一番優れた選手がMVPになるべきだと思う」と力説。その上で世論による影響によって「何人かの記者が『新鮮味のある顔』に投票したがるのではないかと疑っている」と懸念を示し、昨今の投票事情に対して苦言を呈している。

「本来ならそれ(世論)は、投票に影響を与えてはいけない要素だ。たしかにショウヘイ・オオタニは過去4年で3回、そしてアーロン・ジャッジは過去3年で2回もMVPになっている。もちろん、人間的な理想として『新しい顔』が見たいという記者がいるのは分かるが、それは投票を左右する理由にしてはいけない。記者が判断すべきは、あくまでグラウンド上でのパフォーマンスだけだ」

 投票者としての矜持を明確にしたローゼンタール記者は、「私は誰が獲ろうと構わない。ただ、正しく評価したいだけだ」と強調。そして、本音も漏らしている。

「正直に言えば、ふさわしいのなら誰だっていい。そして、私はこうも思っている。20年後に『あの時の記者たちはいったい何を考えていたんだ』なんて言われたくないんだ。実際、我々は多くの間違いを犯してきている。だから怖いんだ。『またオオタニか。飽きたよ』とか『今年もジャッジか』っていう理由だけで、不当に外されることがね。それは良くないし、全く間違ったやり方だ」

 投票において「結局は記者の主観で左右される」と赤裸々に明かしたローゼンタール記者は、最終的にどのような判定を下すのか。タイトル争いの行方が注目される。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]

【関連記事】「存在すべきじゃない」元ヤ軍捕手が大谷翔平のための“二刀流ルール”に反発 制定したMLBにも苦言「正直言って馬鹿げてる」

【関連記事】「オオタニを軽く見すぎている」大谷翔平への“逆風”に米アナリストが異論! 一部で強まる「投手をやめるべき」の声を嘆く

【関連記事】「私は完全に間違っていた」元ド軍GMが告白 大谷翔平の二刀流に覆された“野球観”「打者としては大成しないと考えていた」