レッドソックスでは本領を発揮しきれずにいたビューラー(C)Getty Images まさかの解雇劇に衝撃が広まった。現地…

レッドソックスでは本領を発揮しきれずにいたビューラー(C)Getty Images
まさかの解雇劇に衝撃が広まった。現地時間8月29日、レッドソックスは、昨年12月に年俸2105万ドル(約32億6000万円)の1年契約を締結したばかりだったウォーカー・ビューラーのリリースを発表した。
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世界一の胴上げ投手から立場は一転した。2018年にドジャースでメジャーデビューを飾ったビューラーは、昨年5月にトミー・ジョン手術から復帰。レギュラーシーズンの成績こそ、16試合に登板して1勝6敗、防御率5.38と芳しくなかったが、ポストシーズンでは本領を発揮。ワールドシリーズ第5戦ではリリーフとして9回裏に登板し、見事“胴上げ投手”となった。
当然、ドジャースからも1年2100万ドル(約30億円)の残留オファーを受けたビューラーだったが、FAを決断。2500万ドル(約36億5000万円)に年俸が上がる契約延長オプションが付帯する好待遇でレッドソックスの一員となった。
しかし、今季は開幕から成績が振るわず……。8月からは中継ぎに配置転換となるなど、23試合で7勝7敗、防御率5.45、WHIP1.56と契約に見合う活躍ができていなかった。
わずか1年で自由契約となったビューラー。胴上げ投手からの“転落”には、米メディアも驚きの声を上げている。ニューヨークの日刊紙『New York Post』は「高額を要した失態に終止符を打った」と指摘。「レッドソックスの“実験”はあまりに厳しいものとなった」と皮肉っている。
また、日刊紙『USA Today』は「レッドソックスは彼のキャリアを特徴づけるプレーオフの大試合での英雄的な活躍を期待してビューラーと契約した」と強調。予想外の大不振を受けての解雇に「ローテーションの再構築に向けての決断だった」と理解を示した。
さらに各国球界の移籍情報を発信している『MLB Trade Rumors』は、「そもそもレッドソックスのオファーは彼の復活への賭けだった」と記し、次のようにリポートしている。
「いまやビューラーの投げる速球の平均球速は94マイル(約151キロ)で、昨季より1マイル、全盛期の96~97マイル(約154~156キロ)よりもかなり低いものとなっていた。ゆえにレッドソックスは我慢の限界を迎えていた。ロングリリーフとして残すこともできたが、9月はロースター枠が拡大するため、各球団に投手が1人増え、後続を補う役割を担う選手の必要性が少し減る。そうした中でビューラーを放出することで、レッドソックスは、ビューラーに新たなチームへ移籍するチャンスを与えた形ともなった」
ポストシーズンが迫るタイミングで、無所属の身となった31歳に手を差し伸べる球団は現れるのか。一部メディアでは、ドジャースとの再契約も囁かれているが、果たして……。
[文/構成:ココカラネクスト編集部]
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