梅野はルーキー早川の初勝利をアシストしたことも注目された(C)産経新聞社 阪神は8月29日の巨人戦(甲子園)に3ー4と惜…

梅野はルーキー早川の初勝利をアシストしたことも注目された(C)産経新聞社

 阪神は8月29日の巨人戦(甲子園)に3ー4と惜敗。

 3点を追う8回に相手4番手の大勢を攻めたて、一死から3番の森下翔太が130キロスライダーを一閃、19号をマークすると4番、佐藤輝明にも34号が飛び出し、左右の大砲がチームを盛り立てるもあと一歩、及ばず。

【FA権取得】阪神近本がFA取得!『年俸5億以上の価値‼︎』梅野はどうする?争奪戦勃発!FA選手の現状を語る!

 それでもマジックは「11」と優勝が近づく中、早くもチーム内では今オフの移籍戦線にも注目が高まっている。

 まずはチームが誇るリードオフマン、近本光司。ルーキーイヤーから俊足を生かし盗塁王や最多安打など多くのタイトルを獲得。走攻守に優れた外野手はどの球団も欲しいピースとあって、宣言となれば熾烈な争奪戦必至と見られている。

 またひそかに注目を集めているのは、ベテラン捕手の梅野隆太郎にもある。今季がプロ12年目、34歳シーズンとなるベテラン捕手は今季は坂本誠志郎が躍進する中、ベンチスタートが増えている。

 しかしそんな梅野が意地を見せたのは8月27日のDeNA戦(横浜)だ。プロ初先発のマウンドに立った育成出身の早川太貴とバッテリーを組み、好リードで導くと、バットでも今季初の猛打賞と攻守に躍動した姿を見せた。

 梅野は今オフ、4年の複数年契約を終了し、FAイヤーとなる。キャリア豊富な扇の要をめぐって、球界内からも考察の声が上がっている。

 現役時代は大洋(現DeNA)で活躍、引退後は日本代表コーチを務め、現在は野球解説者として活躍する高木豊氏は26日までに自身のYouTubeチャンネルに「【FA権取得】阪神近本がFA取得!『年俸5億以上の価値!!』梅野はどうする?争奪戦勃発!FA選手の現状を語る!」と題した動画を更新。今オフのFA選手の動向に関し、独自の見解を明かしている。

 動画内では今オフのFA注目選手、阪神・近本光司、中日・柳裕也の去就についても語る中、梅野についても語っている。

 高木氏は梅野に関して「やっぱりキャッチャーは貴重だよ」としながら「阪神のデータだとかそういうのを抜き取ろうとするんだったら、キャッチャーが1番いいもんな」とコメント。

 その上で他球団の動向に関しても「そうなると梅ちゃん獲ってこいと、なるかもわからないし」と複数球団が手をあげる可能性もあるとした。

 今季阪神の捕手ポジションは主戦の坂本が94試合、梅野が38試合、栄枝裕貴が5試合(29日現在、途中出場含む)となっている。  
 
 今季の投手王国には坂本の存在感が光っているが、負担がかかる捕手ポジションにおいては複数の選手で回す、併用制が基本になりつつある。その意味では、チームでは第3捕手の目途が立っていない現状もあり、経験豊富な梅野の力はまだまだ必要と見られている。

 球団も全力で慰留に努めると見られるが、高木氏は「(梅野が)それでも出たいというなら、どこか獲る所はあると思う」。

 「分業制みたいなのが流行っているし 100試合以上とかは考えてないと思う」「阪神よりも出番があるような所で行きたいのかなという そんな感じだよね」と捕手としてキャリアを重ねた、背番号2の気持ちを推測するシーンもあった。

 昨オフの捕手FAも大きく注目を集めたが、フタをあけてみれば、ソフトバンクからFA宣言した甲斐拓也が巨人に移籍するにとどまった。捕手は成長に時間がかかることでも知られる、貴重なポジションだけに若手捕手の育成アシスト含め、仮に梅野が手をあげれば争奪戦になる可能性もある。

 藤川阪神では優勝に向かうチームとともに、激動のオフの行方にも、引き続き注目が集まっていきそうだ。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]

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