2年連続で世界一を狙うU−18代表。29日、沖縄電力との対外試合が行われ、ある程度の起用法が見えた。今回は野手を紹介して…
2年連続で世界一を狙うU−18代表。29日、沖縄電力との対外試合が行われ、ある程度の起用法が見えた。今回は野手を紹介していきたい。
【捕手】3名
大栄 利哉(学法石川)
横山 悠(山梨学院)
藤森 海斗(明徳義塾)
大栄 利哉(学法石川)は高校日本代表候補強化合宿でライナー性の打球を連発し、1.8秒台の強肩を披露。攻守で大きなインパクトを残した。沖縄電力戦では強肩、強打ぶりを買われて、外野で出場していた。
守備の安定感では横山 悠(山梨学院)が一番だ。キャッチングの良さ、安定感のあるスローイングを持ち合わせる。リードに波がなく、エラー、四死球を重ねても、冷静さを失わず、打者をどう抑えるのかに集中できている。打撃もミートセンスが高く、夏の甲子園では大会記録となる8打数連続安打を記録した。沖縄電力戦ではスタメンで抜擢され、期待がかかる。
藤森 海斗(明徳義塾)はセンバツまではセンターでスタメン出場していたが、春季四国大会から捕手に転向した。1.9秒台の強肩を披露し、キャッチングの良さも披露。一塁も守れ、沖縄電力戦では一塁でスタメン出場した。打者としてはバットコントロールの良さが光る。
【内野手】6名
高畑 知季(東洋大姫路)
岡部 飛雄馬(敦賀気比)
為永 皓(横浜)
奥村 凌大(横浜)
今岡 拓夢(神村学園)
辻 琉沙(履正社)
守備力が非常に高い選手が抜擢されたが、この中で最も守備がうまいのは岡部 飛雄馬(敦賀気比)。高校日本代表の強化合宿では他の選手と比べても動きが違った。バットコントロールが巧みで、流し打ちがうまい。代表合流後は1番ショートでスタメン出場している。
高畑 知季(東洋大姫路)はミスが少ない遊撃守備に加え、打者としても一発を打つ長打力を持っているが、夏の甲子園では好調時と比べるとヘッドが下がったスイングになっていた。元来、インコースの裁きを得意としている選手で、持ち味を発揮したい。
為永 皓(横浜)は高い三塁守備とバットコントロールの良さを秘めており、木製バットでも対応できる好打者タイプ。
奥村 凌大(横浜)は守備範囲と判断力を兼ね備えた二塁手だが、打者としてもミート力が高い。代表入り後、沖縄電力戦では為永は2番サード、奥村凌は3番セカンドで出場している。
今岡 拓夢(神村学園)は好打者が多い内野手の中では貴重なパワーヒッター。彼が長打力を発揮し、ポイントゲッターとして機能すると得点力は一気に高まる。今大会は打撃の調子を高めることができるか。
辻 琉沙(履正社)は高い守備力を誇る二塁手だが、マウンドに登れば、アンダースローで打者を封じる変則派である。今大会は投手として活躍しそうだ。
【外野手】2名
阿部 葉太(横浜)
川口 蒼旺(神戸国際大付)
阿部 葉太(横浜)は主将を務め、攻守でチームを牽引することが求められる。高い打撃技術を誇り、29日の沖縄電力戦では4番センターで起用されている。守備でもダイビングキャッチを連発し、球際の強さを発揮する。
川口 蒼旺(神戸国際大付)は小倉監督が希望する右の外野手ということで、選出された身体能力の高さが光る強打者。この夏の兵庫大会・報徳学園戦では豪快な本塁打を放ち、外野の間を抜く鋭い打球を連発する。
【投手兼任外野手】
奥村 頼人(横浜)
坂本 慎太郎_(_関東第一)
奥村 頼人(横浜)はこの夏、神奈川大会準決勝、決勝戦で2試合連続本塁打を放ったスラッガー。飛距離は野手陣の中でもトップクラス。
坂本 慎太郎(関東第一)は抜群の俊足を誇る好打者。投手としてはチェンジアップをうまく使う技巧派だが、将来は打者と評価する声も多い。外野守備は守備範囲が広く、代表ではライトで起用されている。
29日の沖縄電力戦のスタメンは以下の通り。
1番ショート・岡部 飛雄馬(敦賀気比)
2番サード・為永 皓(横浜)
3番セカンド・奥村 凌大(横浜)
4番センター・阿部 葉太(横浜)
5番キャッチャー・横山 悠(山梨学院)
6番レフト・奥村 頼人(横浜)
7番DH・川口 蒼旺(神戸国際大付)
8番ライト・坂本 慎太郎(関東第一)
9番ファースト・藤森 海斗(明徳義塾)
守備力のかなり高いオーダーとなった。スラッガーは少ないが、俊足でミート力が高い打者を揃え、つなぎの打撃で点を取り、少ない得点を守り切る構成だ。
31日には大学日本代表との壮行試合が行われるが、パワーピッチャーを揃えるアメリカ、韓国、台湾へ向けて良い相手になるだろう。
過去のU−18代表を見ていくと試合を重ねるごとに木製バットに慣れて選手たちの打撃力が増す。多くの得点が取れるベストオーダーを実現し、2年連続の世界一を狙える打撃力、守備力を作り上げていきたい。