投手としてリハビリの途上ながら実践のマウンドに立つ大谷(C)Getty Images 大谷翔平とドジャースの2年目は早く…

投手としてリハビリの途上ながら実践のマウンドに立つ大谷(C)Getty Images
大谷翔平とドジャースの2年目は早くもレギュラーシーズンの終わりが見えてきている。
昨季に前人未到の「50-50(50本塁打/50盗塁)をやってのけた偉才は、2年目も順調に歩みを進めている。6月16日に実戦復帰した投手としては、防御率こそ4.18ながら、11登板(先発)を消化。奪三振率12.25と相変わらずの高い支配力を発揮している。一方で打者としても45本塁打、長打率.608、OPS.995とリーグ屈指のパワーヒッターとしてのポテンシャルを十二分に見せつけている。
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31歳となって、ますますパフォーマンスが洗練されていっている大谷。だが、ドジャースとの契約はあと8年。ここからは故障のリスクとも今以上に向き合う必要があるのは言うまでもない。
ゆえに一部のメディアや識者、さらにファンの間では、投打二刀流によって生じる負担を問題視する声が強まっているのも事実だ。彼らは大谷が持つ無限大の可能性を評価しつつも、「普通の先発のように投げさせ続ければ、リーグ最高の打力を失うリスクがある」(MLBの公式ネット局『MLB Network』の司会ブライアン・ケニー氏談)と指摘する。
ただ、そうしたネガティブな声と同等かそれ以上に論じられるのは、大谷の才覚を強く信じる意見だ。米スポーツ専門局『FOX Sports』のアナリストを務めるベン・バーランダー氏は、自身のポッドキャスト番組『Flippin’ Bats』で「たしかにオオタニはメジャー屈指の打者で、投手をやらなくてもMVP級の選手だ」と前置きした上で「彼のような100マイル(約160.9キロ)を投げて、えぐい変化球も投げられる才能を持つ選手に『ピッチャーをやめろ』って言うのは言うべきじゃない」と断言している。
かねてから大谷を「地球上で唯一無二」と評してきたバーランダー氏。二刀流の偉才ぶりに心酔してきたからこそ、米球界内で生まれている“異論”に反発する。
「何度か悪い内容のピッチングは続いた。もちろん、そういう時はある。しかし、なぜ防御率だけですべてを評価しようとするんだ? もっと試合内容やボールの質を見るべきだ。ショウヘイの投げるボールは十分に通用しているし、衰えてはいない。彼は、まだリハビリ中だけど、ハイレベルな投球をしている。普通の投手なら、まだ山あり谷ありの時期だ。メジャーの試合に戻れていないかもしれない」
さらに「少しでもネガティブなことに言及して過小評価するのは視野が狭い」と大谷を擁護したバーランダー氏は、「彼は今、打ちながらリハビリをしているんだ。誰もが彼のやっていることを軽く見すぎている」と主張した。
「いいかい? 彼はリハビリ投球を続けながら、シーズン50本塁打に近づいているんだ。個人的には『打者に専念した方が良い』なんて意見は冷静になるべきだと思う。絶対に間違っているからだ。ショウヘイはやりたいと思う限り、今の状態を維持していく。
彼が投手をやめるかどうかを決められるのは、この地球上で彼自身もしくは、彼の奥さんぐらいだ。デーブ・ロバーツやドジャースの幹部たちでもない。彼にはその権利があるし、それだけのことをやってきたんだ」
おそらく大谷の起用法を巡る議論は今後も尽きることはない。そうした中で、本人がいかにして決断を下すかは、世界的な注目を集めそうだ。
[文/構成:ココカラネクスト編集部]
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