何もかもが規格外の活躍を続けている大谷(C)Getty Images 目の前で繰り広げられた快投に百戦錬磨の名将も脱帽し…

何もかもが規格外の活躍を続けている大谷(C)Getty Images

 目の前で繰り広げられた快投に百戦錬磨の名将も脱帽した。

 現地時間8月27日、ドジャースの大谷翔平は本拠地でのレッズ戦に「1番・投手兼DH」で先発登板。チームが5-1で完勝した中で、投手として5回(87球)、被安打2、1失点、9奪三振の内容で749日ぶりの勝利を手にした。

【動画】投球分析家も絶賛のカーブ!大谷翔平が三振を奪うシーン

 圧巻の投球だった。初回に2奪三振の好スタートを切った大谷は、2回に2四球と2つの暴投で1死二、三塁のピンチを招いたが、続くキーブライアン・ヘイズとマシュー・マクレーンを連続三振に仕留めて無失点で切り抜けた。

 これで波に乗った背番号17は、3回にノエルビ・マルテに浴びたソロ本塁打を浴びたが、最速100.3マイル(約161.4キロ)を叩き出した4シームとカーブを軸とした緩急のある投球でレッズ打線を翻弄。今季最長となる5イニングを危なげなく切り抜けた。

 まさしくエース級の投球に敵将は舌を巻いた。レッズの試合中継を担った米スポーツ専門局『Fan Duel Sports Ohio』のフラッシュインタビューに応じたテリー・フランコーナは「素晴らしいの一言に尽きる。フィールド上だけじゃない。彼の存在自体が常識外れだ」と絶賛。投打二刀流をこなす異能ぶりを独特な表現で称え続けた。

「ありえないことをやっているんだ。今日の試合だけじゃない。例えば、彼は月曜日にブルペンで練習した後に当たり前のようにDHで出場しているんだ。その裏にある努力や準備を考えると、なおさら私には理解ができないよ。どうすればあれだけ献身的で才能をもった選手になれるのか」

 もっとも、本人は現状に満足はしていない。試合後に米スポーツ専門局『Sports Net LA』などの取材に応じた大谷は「今日に関してはちょっと球数もかさんでいるので、5回投げきれるかどうかも微妙なところでしたし」と淡々と回想。その上で「リハビリの段階としてはまず真っ直ぐ、ファストボールをしっかりいい球速で投げ切るということが1番。そういうコミュニケーションの中でやってきて、カーブやスプリットは1番最後の段階なので、これがしっかり投げきれれば、自分の中でフルでいけるんじゃないかなっていう自信がしっかり持てるかなと思います」と先を見据えた。

 どれだけ周囲から褒められようとも驕らず、自らの課題を向き合い続ける。この姿勢こそが、現球界で唯一無二とされる二刀流が継続できる原動力と言えるのかもしれない。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]

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