◇国内女子◇ニトリレディス ゴルフトーナメント 初日(28日)◇北海道CC大沼C(北海道)◇6955yd(パー73)◇…
◇国内女子◇ニトリレディス ゴルフトーナメント 初日(28日)◇北海道CC大沼C(北海道)◇6955yd(パー73)◇曇り時々晴れ(観衆1018人)
金田久美子はご機嫌だった。「あんまりピンチはなくて、ドライバーはフェアウェイに行ったし、パーオンも割としたし。アプローチしたのは(後半)17番(パー3)のエッジからだけじゃないかな」。ボギーなしラウンドは、今季ベストの15位で終えた7月「明治安田レディス」第1ラウンド以来だ。
プロ17年目のシーズンは、出場17試合でメルセデスランキング87位。前週に2試合連続となる10度目の予選落ちを喫するなど苦戦が続いてきた。「2週連続(予選落ちで)マジで落ち込んで、気持ちが下がっちゃって」。今週の現地入りは当初、火曜を予定していたが、自分でお尻をたたくように月曜に変更。その日にハーフ、翌日にハーフの練習ラウンドをこなした。
早く入った分、いいことがあった。夏場になって約2カ月、ぜんぜん調子が上がらなかったパット。パターを替えたり試行錯誤を繰り返してきたが、あることを思い出した。
「2年前に西村優菜ちゃんに(パットの)グリップのことを聞いて」。両掌を合わせ、グリップをはさむように握るスタイルを真似てみた。逆オーバーラッピングだったスタイルを右手指で左手を包むオーバーラッピングに変更した上で、順手で右手親指が左手親指より大きく下にズレていたのを、左手親指を右手親指の第一関節あたりまで近づけて“優菜風”に…。「グリップと両腕に一体感が出て、ミスヒットが減りました」。この日も前半のバーディは、1mが入った7番だけだったが、13番で6mが入ると、7m、2.5mを立て続けに決めて3連続バーディを奪った。
月曜夜には気分転換もした。仲のいい脇元華と“100万ドルの夜景”を見るべく函館山に出向いた。「夜9時まで車が通行止めになっていたから、10時から。だから5分ぐらいで帰ったけど」と笑う。
8月14日に“元天才少女”は36歳になった。「最近は開き直ってます。うまくいかないことを受け入れられるようになりました。あと何年(ツアープロが)できるかわからないし」。大人になったと言いたげだ。とてもベテランには見えない無邪気に笑顔で、頑張りながら、残り3日も上位を目指していく。(北海道七飯町/加藤裕一)