甲子園の余韻が冷めやらぬ中、東京都では27日に秋季一次予選の抽選会が行われた。260校・233チームが31ブロックに分配…

甲子園の余韻が冷めやらぬ中、東京都では27日に秋季一次予選の抽選会が行われた。260校・233チームが31ブロックに分配され、ブロック内のA、Bを勝ち上がった62校と甲子園出場校の日大三、関東第一が本大会に進み、秋の王者を決める戦いに臨む。

 日大三から始まった抽選会。各校の代表者が壇上に上がりクジを引く中、抽選を待つ列の中にひと際目立つ球児がいた。丸山ユジーン投手(2年)。身長201センチ、95キロの恵まれた体格を誇る八王子の新主将だ。

 日本人の母とナイジェリア人の父の間に生まれ、中学時代は八王子市にある松が谷中の軟式野球部に所属。母が安藤(徳明)監督の教え子だった縁もあり、高校では硬式野球部でプレーした。2メートル超えの長身を誇るが、最速は130キロ前後。「早いボールは投げられませんが、秋冬で体をうまく使って投げるようにしたい」と選手としてはまだ試行錯誤を重ねている段階だ。公式戦出場経験を聞くと「ありません」とだけ。今夏はベンチ入りこそ叶わなかったが、ボールパーソンを務め「試合を見ながら、先輩方のプレッシャーを感じていました。1年後自分も先輩たちのような選手になりたいと思いました」とチームのサポートに回っていた。

 そんな丸山が主将就任を伝えられたのは今年の5月だった。

「春の大会がベスト4で終わり、直後のゴールデンウイーク前に監督から聞きました。『6月の最初にまた聞くから考えて欲しい』と言われていた中で、周りへの声かけや私生活の部分で自分が一番指摘できると感じ、キャプテンの大役をチームの誰かに任せるのではなく、自分が背負いたいと思ったので、キャプテンになることを決断しました」

 取材時にそばいた小橋 竜也部長も「一生懸命頑張る子で、性格も良い選手です」と笑顔で紹介してくれた。異例の決断ではあるが、指導者にも公式戦出場の有無を感じさせない信頼も垣間見える。

 入学時には想像もしていなかった大役だが「みんなと練習する中で、中心に立ってチームを動かしたいと思い始めた」と積極的なコミュニケーションで、選手に指示を通すよう心がけている。最初は戸惑いもあったというが「周りからも「お前がキャプテンをやって欲しい」という声をもらい、同級生も背中を押してくれた」と今度は仲間に支えられながら練習に励んでいる。

 新チームは秋優勝を目標に掲げ、夏4強のリベンジに燃えている。「古山(球道)さんや新井(唯斗)さんのような実力でチームを引っ張る選手が少ないですが、小技やバント、投手のコントロールなど細かい部分で今年は勝負したい」。初戦は約2週間後の9月13日。瑞穂農芸戦で幸先の良いスタートを切れるか注目だ。