◇米国女子◇FM選手権 事前(27日)◇TPCボストン(マサチューセッツ州)◇6598yd(パー72)山下美夢有に祝福…
◇米国女子◇FM選手権 事前(27日)◇TPCボストン(マサチューセッツ州)◇6598yd(パー72)
山下美夢有に祝福のシャンパンシャワーを浴びせた笑顔の裏で、西郷真央はひそかに悔しさに打ちひしがれていた。「AIG女子オープン(全英女子)」で終了した今季の女子メジャー。その終わりには無念さが残った。
米女子ツアーはシーズン5大会での総合的な活躍をたたえる「ロレックス・アニカ・メジャーアワード」という賞を設けている。各メジャーのトップ10に、順位に応じて付与されるポイントの合計を競う。2014年の創設以降、日本人の受賞者は未だゼロ。「シェブロン選手権」を制した西郷は74ptで、トップのミンジー・リー(オーストラリア)にわずか4pt及ばず2位に終わった。
「全米オープン」で4位に入りながら、最後の闘いだった全英女子が11位だったからやりきれない。「あと1打でした」。ウェールズでもう1つバーディを獲れていれば、あるいはボギーを防げていれば、最高で6ptが入る8位(タイ)だった。「すごい、すごい、悔しかったですね」。リンクスの風を浴び、人知れず唇をかんでいた。
後半戦のリスタートは前週、カナダで切った。「CPKC女子オープン」は21位で迎えた週末に「67」「66」をマークして通算11アンダーの3位フィニッシュ。「ショットの状態がちょっとずつよくなった試合。すごく良いプレーができた」と感じられた。
今大会は6月初旬以来、久々の連戦で少々疲れが残っていたが、週の頭のトレーニングは欠かさない。昨年、日本勢最高位の19位だったコースに「フェアウェイが締まっていて距離を稼ぎやすい」印象を持った。「去年よりも持てるクラブが短くなっているので、バーディチャンスを増やせると思う」とスコアの伸ばし合いに加わる準備を整えている。
残りのシーズンで願うところは「(今季)複数回優勝できるように」。目に見える結果に加えて、内容も突き詰めたいという。「自分が納得できる試合をしていきたい。先週はもったいないプレーはもちろんありましたけど、4日間を通して割と納得できた試合の1つでもありました。そういう試合を積み重ねたい」と静かに心を燃やした。(マサチューセッツ州ノートン/桂川洋一)