個性的な名前も相まって人気を博したカラテが、今年7月に引退した。今回は前走の安田記念16着からガラリ一変での戴冠を果…

 個性的な名前も相まって人気を博したカラテが、今年7月に引退した。今回は前走の安田記念16着からガラリ一変での戴冠を果たした22年の新潟記念を振り返る。

 カラテは父トゥザグローリー、母レディーノパンチ、母の父フレンチデピュティの血統。近親にはステイゴールドやサッカーボーイ、ショウナンパンドラやスノードラゴンなどのGIウイナーが並ぶ血統馬だった。初勝利に8戦、2勝目に更に10戦を要するなど、若い頃は一般的な条件馬だった。しかしながら、4歳末に覚醒し、5歳時の東京新聞杯で重賞初制覇。その後は1600mから1800mを主戦場に据えて、重賞で好勝負を続けた。

 そして迎えた一戦が6歳時の新潟記念だった。2走前のマイラーズCで7着、前走の安田記念で16着に敗退。加えて約2年5カ月ぶりの2000m、さらにはトップハンデタイの57.5kgということもあって10番人気の低評価に甘んじていたが、レース運びは堂々たるものだった。道中は中団待機。直線で馬群の内目から抜け出すと、残り100mでは勝負あった。大外強襲のユーキャンスマイルに1馬身3/4差をつける完勝で、2つ目のタイトルをつかみ取ったのだった。

 カラテは9歳まで走り続けた。今年のエプソムCで10着に敗れた後、次走に向けての調整中に屈腱炎を発症。遂に現役を退き、東京競馬場で乗馬となる予定。今後は第二のステージでの活躍を期待したい。