＜文部科学大臣杯 第77回 全日本大学準硬式野球選手権大会： 中央大5-2立教大＞◇24日◇決勝◇札幌市円山球場 大学準…
＜文部科学大臣杯 第77回 全日本大学準硬式野球選手権大会： 中央大5-2立教大＞◇24日◇決勝◇札幌市円山球場
大学準硬式の日本一を決める文部科学大臣杯 第77回 全日本大学準硬式野球選手権大会（以下、全日大会）。優勝候補に挙がっていた中央大は、決勝戦で立教大を5対2で下して大会連覇を達成した。
試合を決定づけたのは山梨学院時代に腕を鳴らした逸材だった。
4回、相手の守備の乱れで1点を先制して勢いづいたところで、指名打者でスタメン出場した大森 燦内野手（山梨学院出身）がライトへ三塁打。ランナー2人が生還し、大きな追加点をもたらした。
「今大会初スタメンでしたので、チャンスが来たら結果を残したかったし、チームとしてヒットが少なかったので、あの場面はヒットを出せたらと思っていました。感触は詰まっていましたけど、持ち味のパンチ力を生かして伸びてくれたと思います」
チームはその後、さらに追加点を入れて5対2で優勝を達成。チームの悲願に大きく貢献したわけだが、大森は3年生の春、センバツで優勝を経験した。しかも全試合スタメン出場を果たしていた主力メンバー。もちろん優勝の瞬間もグラウンドに立ち、歓喜の輪を作った。
「周りは自分とは比べものにならない凄いメンバーでしたので、優勝出来たことを含めてありがたい経験で思い出になりました。と同時に周りの力を感じましたし、自信になりました」
春夏連覇は残念ながら達成できず、山梨大会で敗れ去ったが、その実績はたしかなものだ。大学でも硬式野球を継続する道があったはずだが、なぜ準硬式を選んだのか。
「最初は大学で硬式野球をするつもりがありました。ただ同じ山梨学院出身で、中央大の準硬式で活躍されていた功刀（史也）さんに憧れていたので、中央大の準硬式のことを聞いて頭にあったのですが、凄く強いチームだということがわかったんです。
もちろん吉田監督に勧めてもらったこともありますが、練習環境も高校時代と変わらず高い熱量を持って、厳しい練習をされているとわかりました。その環境に心が強く惹かれたし、自分の輝ける場所でやりたいと思って、硬式野球ではなく、準硬式でプレーすることを決めました」
硬式野球でプレーする以上に準硬式で戦いたいという気持ちが勝り、準硬式の世界にやってきた大森。高校時代に培った実力に自信を持って挑みながらも、学ばされることも多かったようだ。
「山梨学院の3年間で培ってきたものには自信がありました。ですが、入部すると色んな強豪校でプレーしていた選手がいるので、今まで気づかなかった価値観に気づくことが出来て楽しいです。
また学生主体なので、自分から意思表示として発信しないとチームが良くならない。何よりも周りへの配慮や敬う気持ちなど、人としての成長をさせてもらう機会が多いです」
こうした経験をしながら成長していた大森。大会前には不調に陥ったというが、「長打を狙ってスイングが大きくなっていたので、センター返しを意識した」スイングで調子を取り戻し、立教大戦でスタメン出場。優勝に近づく適時打で優勝に貢献した。
ただ大森はまだ2年生。これからの中央大を担っていく存在だが、ここまでの準硬式生活について、「自主性の部分、自分たちで考えるので難しいですが、楽しいし、実現すれば喜びは大きいので、準硬式の道は楽しいです」と語った大森。残された2年で果たしてどんな選手になるのか。準硬式で奮闘する大森の今後からも目が離せない。
