ロッキーズ戦を休養に当てた大谷(C)Getty Images 投打二刀流の挑戦によって、蓄積疲労と怪我のリスクが付きまと…

ロッキーズ戦を休養に当てた大谷(C)Getty Images

 投打二刀流の挑戦によって、蓄積疲労と怪我のリスクが付きまとう大谷翔平(ドジャース)。その起用法を巡って異論が飛んだ。

 現地時間8月21日に敵地で行われたロッキーズ戦。ドジャースは大谷に欠場させた。産休制度に相当する「父親休暇リスト」に入った4月18、19日以来の欠場となった彼が、「休養」という形で試合を休むのは、昨年5月1日以来の出来事でもあった。

【動画】衝撃!大谷翔平の右足に151キロの打球が直撃したシーン

 無論、先発登板した前日の試合で、痛烈なライナーが右太ももを直撃した身体のケアを慮っての措置でもあった。しかし、デーブ・ロバーツ監督が「ゆっくり寝て、遅れて来ていいと言った」と発言したように、その起用法には大谷の疲労を相当に配慮した意図も垣間見えた。

 ただ、大谷が「僕から(休養を申し出た)というわけではなく、フロントもそうですし、監督とも話しながら、このタイミングがいいんじゃないかということ」と明かした起用法を巡っては、米解説からも疑問の声が上がった。

 かつてレッドソックスなどで活躍したケビン・ミラー氏は、MLB公式ネット局『MLB Network』の番組「MLB Now」において、「信じてくれ。彼はもっと引っ張って、使わないとダメだ」と指摘。「フィールド上でのちょっとした乱れぐらいは許容すべきだ」と訴えた。

 以前から「過度に制限するのはもうごめんだ」と大谷の起用法に疑問を呈していたミラー氏は、「ハッキリと言わせてもらう。ショウヘイ・オオタニは投打二刀流をやるために10億ドル近い金額を貰っているんだ。年に5、60本のホームランを打つためじゃない。二刀流をやるために契約したんだ」と力説。コンディションを懸念した“過保護”的な使い方に改めて苦言を呈した。

 当然ながら番組内では反論が噴出。ホストを務めるブライアン・ケニー氏が「1890年代のように選手を使うのは、今の時代では絶対に無理だ。絶対に。それに怪我をしたらリーグで最高の打者を失うことになるんだ」と強く異論をぶつけると、ミラー氏は、「なぜだ? 彼は健康だし、『問題ない』とも言える状態だ」と指摘。そして、声を荒げて持論をぶちまけた。

「ドジャースが彼に負荷をかけて使うのは正しいんだ。それに怪我のリスクなんて誰にでもあるんだ。ストラスバーグの時と同じだ。彼も『最高の投手で勝ちたい』とナショナルズが投球制限をかけまくったんだ! それでも彼は怪我をして終わった。だから、怪我はなる時は誰でもなるんだ」

 それでも納得ができないケニー氏は「二刀流をやっていても結局、身体は一つだ。壊れる時は壊れる。それに彼は過去8シーズンで4シーズンしか投げられていない。リスクは高いんだ」と指摘。これに「打者として1スイングで怪我をする可能性だってある」と反論したミラー氏は、こうも返している。

「できる限りフィールド上にいるべきだと言いたいんだ。いいか? 怪我をするまでは走れ! 怪我をするまではホームランを打て! 怪我をするまでは速球を投げろ! 彼はいくらもらっているって言うんだ。ドジャースは『二刀流をやらせるため』に7億500万ドルも払ったんだ」

 慎重なドジャースの起用法が正しいのか否か――。その答えは、ポストシーズンの戦いが待ち受けるここから先の“結果”で示されるはずだ。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]

【関連記事】大谷翔平は「謙虚ではない」――全米中継での野球少女が猛烈批判 “サイン無視の過去”が物議「誰もがオオタニを尊敬しているわけじゃない」

【関連記事】貢献度は“平均以下”でDFAの予測も…正念場も打率1割台の絶望的状況のド軍25億円男を米記者が嘆き「少ない成果しか出せてない」

【関連記事】「私の人生を変える」大谷翔平の“記念球”をなぜ競売に? 651万円獲得の米女子大生が明かした心境「機会を逃すわけにはいかなかった」