今年、甲子園に出場したドラフト候補の中で評価を高めた仙台育英のスラッガー・高田 庵冬。高校通算31本塁打を記録し、須江航…
今年、甲子園に出場したドラフト候補の中で評価を高めた仙台育英のスラッガー・高田 庵冬。高校通算31本塁打を記録し、須江航監督も飛ばす能力を高く評価している。
宮城大会では、19打数4安打に終わり、本人も初戦の鳥取城北戦後にも「甲子園でアピールしたい」と語っていた。2回戦の開星戦では本塁打を放ち、3回戦の沖縄尚学戦では、4打数2安打とマルチヒットを記録。計3試合で13打数5安打、1本塁打2打点と結果を残した。
6月の愛知招待試合、夏の宮城大会の打撃を見ると、ボール球に手を出したり、中途半端なスイングで凡打になったりするなど内容は良くなかった。甲子園の鳥取城北戦では、第1打席にバットを止めての投手ゴロと良くない打撃だったが立て直し、4回には甲子園初ヒットが適時打となり、そこから調子を上げていった。
高田の打撃フォームを見るとスクエアスタンスで、構え遅れをしないようにグリップの位置を体の近くに置いている。トップを深く取っていきながら、内回りのスイングを行う。ヘッドスピードが非常に速く、インパクト時に強い押し込みができている。
宮城大会まで振り遅れの打球が多かったが、甲子園では立ち遅れもなく、ヘッドが下がらずにスイングができていた。沖縄尚学戦では好投手の末吉 良丞投手から2安打を記録した。
高田は長打力だけではなく、守備も優れている。須江監督が俊足と評するように、三塁守備も機敏。守備範囲が広く、深い位置でもダイレクトスローできる強肩があり、前方の打球に対しても素早く処理して、ランニングスローでアウトするなど、守備の手数が多い。スラッガータイプにしては守れるというところは評価できるだろう。一塁までの駆け抜けは4.3秒前後で、右打者としては俊足の部類に入る。
沖縄尚学戦後にプロ志望を表明した高田。並外れた長打力、守備力の高さ、脚力の高さは評価できる。ただ、どの大会でも高打率をマークしたわけではなく、対応力に課題を抱えている。
プロ1年目から二軍でどんどん打っていく選手ではなく、三振、凡打を繰り返しながらも突如として本塁打を量産する可能性を持っている。今年、5年目にして11本塁打を放っているロッテ・山本大斗外野手(開星)のような成長を期待したい。
評価は分かれるタイプで、我慢して使いたいと思う球団があれば、下位指名を検討する球団もあるのではないか。大学進学して、着実に積み重ね、上位指名を狙うパターンでも遅くはない。
プロがどんな判断を下すのか注目だ。