第107回全国高校野球選手権大会(阪神甲子園球場)は21日、第14日を迎え、準決勝が行われる。第2試合では、「左の剛腕」…

第107回全国高校野球選手権大会(阪神甲子園球場)は21日、第14日を迎え、準決勝が行われる。第2試合では、「左の剛腕」対「好調右打者」の結果が勝敗を分けそうだ。

【大会第14日第2試合(10時30分)】
沖縄尚学(沖縄)-山梨学院(山梨)

 センバツでは優勝経験はあるが、夏は初めて4強に進んだ同士の対戦。さらに初の決勝進出をかけて「盾と矛」の対戦に挑む。

 山梨学院は打って勝ってきた。初戦こそ6得点だったが、ここ2試合は14点、11点と連続して2ケタ得点をマークしてきた。1、2番は左打者だが、3番から9番まで7人の右打者が並ぶ。聖光学院(福島)の大嶋 哲平投手(3年)から13安打、京都国際(京都)の西村 一毅投手(3年)から10安打を放つなど、ここまで猛打を振るっている。

 その2投手はいずれも左腕。この年代を代表する左腕2人を見事に攻略して勝ち上がってきた。3番から8番までの右打者6人の打率は.444(72打数32安打)。特に4番の横山 悠捕手(3年)は本塁打1本を含め12塁打、7番の菰田 陽生投手(2年)は三塁打2本を含めて10塁打と、打線をけん引している。

 対左腕攻略に成功している打線に立ち向かうのは、沖縄尚学の2年生左腕エース・末吉 良丞投手(2年)。4試合に登板し2完投勝利を挙げ、27回で35奪三振をマーク。防御率1.00と圧倒的な数字を残している。右打者に対しては内角をえぐるような直球に加え、膝元に沈むスライダーと、外角へのチェンジアップという変化球を丁寧に投げ分けるなど、レベルの高い投球を見せる。山梨学院が誇る右打者も簡単に打ち取ることができるのか。

 特にマウンド上でも投げ合う可能性の高い、菰田との直接対決にも注目される。菰田は11打数6安打6打点と、中軸を打ってもおかしくない打撃を見せている。末吉からすれば、絶対に打たれてはいけない打者となる。

 この2人はまだ2年生。今年はもちろんだが、来年以降も甲子園での対決で数々のドラマが生まれる可能性が高いだけに、最初の対決に期待が高まる。