歴史的な激闘で優勝候補・横浜を破った県岐阜商。公立校で4強入りしたのは18年の金足農以来、同校では16年ぶりのベスト4と…
歴史的な激闘で優勝候補・横浜を破った県岐阜商。公立校で4強入りしたのは18年の金足農以来、同校では16年ぶりのベスト4となった。
ベスト8に残った学校は過去にセンバツ、夏の選手権、明治神宮大会で躍進した学校が多い中、県岐阜商は21年の甲子園以来、遠ざかっていた。県岐阜商を立て直したのは同校ОBの鍛治舎巧監督。15年には151キロ右腕・高橋 純平投手(元ソフトバンク)を擁してセンバツベスト8入りしているが、それ以降は甲子園出場がなく、17年夏には岐阜大会3回戦でコールド負けを喫していた。
18年から鍛治舎監督が就任し、県大会で強豪校に善戦し、満足していたチームの精神状態から立て直し、心身ともに強化。19年秋には東海大会準優勝を収め、その後、明治神宮大会優勝を収めた中京大中京に6対9と接戦を演じた。鍛治舎監督は「決勝戦で敗れて大泣きする選手たちを見て、あの決勝からチームのムードは明らかに『全国でどう勝つのか』に変わりました」と振り返る。20年センバツ、21年センバツ、夏の甲子園に出場。その後、甲子園は遠ざかったが、昨夏は投打ともにタレントを揃え、圧倒的な戦力で勝ち上がったが、惜しくも準優勝に終わった。
当時の主力から大幅に入れ替わる中、鍛治舎前監督は「昨年の夏の大会が終わったあと、新チームの選手たちの練習の雰囲気を見て「秋の東海大会で優勝できる」という確信を持ちました。直後の試合、後に北信越大会出場校相手に、6回表終わって25安打20得点。親しい相手監督から『これ以上やると大会前、選手が自信喪失します。できればここで...』となりました。このチーム状態ならセンバツは確定、早く次の指導者に託した方がよいと思い、退任を固めました」と現在のチームに手応えを感じて、藤井潤作監督に託したという。
しかし、秋、春も県準々決勝敗退を喫し、苦しい戦いとなったが、夏に選手たちの潜在能力が開花。鍛治舎前監督が手応えを感じていた現在のチームは、夏で横浜を破り、全国ベスト4まで上り詰めた。鍛治舎監督がずっと強化してきたのが、打撃。プロ注目投手が揃う横浜投手陣から16安打を放った打撃力は本物だろう。
次は名門・日大三との対決になる。