<第107回全国高校野球選手権大会:県岐阜商3-1明豊>◇17日◇3回戦◇甲子園 県岐阜商(岐阜)の横山 温大外野手(3…
<第107回全国高校野球選手権大会:県岐阜商3-1明豊>◇17日◇3回戦◇甲子園
県岐阜商(岐阜)の横山 温大外野手(3年)が、またも甲子園を感動の渦に巻き込んだ。
3対1とリードして迎えた8回無死一塁の守りで見せた。右翼手の横山が、正面に飛んできたライナーを右手のグラブで捕球すると、右手で矢のような送球を一塁へ送った。間一髪、一塁走者の帰塁が早く、セーフとなり併殺こそならなかったが、甲子園が感動に包まれ、沸いた。
生まれつき左手に指がない横山が、必死に練習してきたことを、この大舞台で披露した。右手で捕球するとグラブを左胸にかかえて、すばやく右手でボールをつかんで返球する。打撃とともに、この守備のハンディを克服する努力を積み重ねてきた。アウトにはできなかったが、誰もハンディをかかえている選手とは思えないようなすばやい動作での「レーザービーム」でもあった。
「守備では握り替えを早く、強い送球を意識しています」
打撃でも甲子園での全3戦連続で安打を記録した。この日は初回の第1打席で右前打を放ち、貴重な3点目となる打点をマーク。この3点目が相手に効いて、逃げ切れたともいえる。
「ランナーもいたので、絶対に自分で返すという気持ちだった」
県岐阜商は、4強入りした2009年以来、16年ぶりの8強入りを果たし、春夏合わせて甲子園90勝。チームに大きな大きな勝利をもたらた。準々決勝ではセンバツ王者・横浜(神奈川)と対戦する。
「春の王者ですし、レベルの高い選手も多いですが、自分達のプレーができるか楽しみです。絶対に勝つぞ、という気持ちです。奥村投手、織田投手など、速いピッチャーも攻略できるように頑張りたい」
強力な投手陣相手に、打っても、守っても、全力プレーで勝利をつかみにいく。