<第107回全国高校野球選手権大会:沖縄尚学5-3仙台育英(延長11回タイブレーク)>◇17日◇3回戦◇甲子園 仙台育英…

<第107回全国高校野球選手権大会:沖縄尚学5-3仙台育英(延長11回タイブレーク)>◇17日◇3回戦◇甲子園

 仙台育英(宮城)のプロ注目左腕の目から涙があふれ出た。

 左腕エース吉川 陽大投手(3年)は、10回まで3失点と好投していたが、11回に無念の2失点に泣いた。壮絶な激闘の末に、延長11回タイブレークで敗戦。沖縄尚学の怪腕、末吉 良丞投手(2年)に投げ負け、悔しさがこみ上げた。

「1番を背負えて嬉しい気持ちでしたが、優勝させたかった」

 吉川は泣きながらも振り絞るよう口を開いた。

 打線では今大会無失点と好投していた沖縄尚学の怪腕、末吉を攻略した。初回に4番の川尻 結大捕手(3年)が、低めの変化球を拾うように技ありの左前打で先制。1対2と逆転されて迎えた5回2死満塁からは、外角の直球を見事にはじき返しての2点適時右前打を放ってみせた。勝利には結びつかなかったが、仙台育英の4番としての意地の3安打3打点を残した。

 須江監督はテレビカメラのインタビューに「良くも悪くも全てが出た。監督の采配以外で後悔はない」と話し、吉川の投球にも「後悔や悔しさもあると思うが、あれ以上は求められない。100点以上なので。200点くらいしか形容できない。」と健闘を称えた。

 あと1歩届かず2年ぶりの8強入りは逃したが、大会屈指の左腕相手に、堂々とした戦いぶりに、甲子園からは拍手が鳴り止まなかった。