(16日、第107回全国高校野球選手権3回戦 高川学園4―9日大三) 5点を追う三回表、無死一、二塁。高川学園の衛藤諒大…

(16日、第107回全国高校野球選手権3回戦 高川学園4―9日大三)

 5点を追う三回表、無死一、二塁。高川学園の衛藤諒大(あきひろ)選手(2年)は二塁から、ベンチを見た。

 サインは、盗塁――。

 相手エースが5番打者・山口岳士選手(3年)に投じた初球に、一塁走者の遠矢文太主将(同)と同時に駆け出す。重盗を決めると、2万人の観衆がどよめいた。

 衛藤選手は山口選手の犠飛で生還し、間地展生選手(同)の適時打で3点差に迫った。「いける」。手応えを感じた。

 福岡県出身。四つ上の兄を追って高川学園に進学した。「打撃で誰にも負けたくない」とバットを振り込み、この夏から中軸を任された。

 山口大会ではチームトップの打率5割2分9厘を残し、未来富山との初戦でも2安打1打点。打線を引っ張ってきた。

 相手は強力打線で夏を2度制した「強打の三高」。序盤こそ互角に打ち合ったが、中盤以降は相手右腕を打ちあぐねた。4回と7回は走者を置きながら、三振と内野フライに終わった。

 再び5点を追う九回表、2死無塁。「必ずキャプテンにつなぐ」。3球目を振り抜くと、打球は左翼手のグラブに吸い込まれた。

 試合後、「先輩たちを日本一にしたかった」と唇をかみ、来夏に向けて誓った。「誰よりも努力して、もっともっと強いバッターになる」(三沢敦)