◇米国女子◇ザ・スタンダード ポートランドクラシック 2日目(15日)◇コロンビア・エッジウォーターCC (オレゴン州…

渋野日向子は通算4アンダーでホールアウト。決勝ラウンド進出にひと安心

◇米国女子◇ザ・スタンダード ポートランドクラシック 2日目(15日)◇コロンビア・エッジウォーターCC (オレゴン州)◇6497yd(パー72)

スタートから3ホール目、同じ時間帯にプレーしていた西村優菜の関係者を見つけた渋野日向子は、ガッツポーズの仕草を見せてアイコンタクトした。フェアウェイで満面の笑みを作ったのはその一瞬。予選通過圏外の72位からのティオフで必死にならないわけがない。

フェアウェイからの第2打をピンそば1mに寄せた前半14番でバーディが先行。続く15番で2mのパーパットを沈めてリズムを守ると、その後はショットが次第に安定した。チャンスでミドルパットを外し続けても、じっと耐えて、待った。

ショットは後半にかけて安定した

パーオン率が44.44%(8/18)と低迷し、グリーンを狙うショットが「ボロボロだった」前日を思えば、一歩でも前進を感じられた。「前はすごくイライラしていたかもしれないですけど、これだけパーオンしていることに喜びを感じているというか、“怒りポイント”でも、焦るポイントでもないかなと思って、なんとなく平常心でできた」。ガマンは実る。後半4番でセカンドショットをピン手前2m強につけたチャンスを生かし、バーディが来た。

左ドッグレッグの続く5番(パー5)では1Wショットが久々に乱れ「(左サイドの)池に入るかと思った」とヒヤリ。ボールはラフで残り、強いつま先上がりのライから打つことを強いられたが、5UTで低く打ち出したボールは絞られた花道を縫ってグリーンに到達した。セカンドで6Iを握れた7番(パー5)も2オンに成功し、いずれも2パットバーディ。上がり2ホールは2mのパーパットを続けて沈め、4バーディ「68」でまとめた。

後半アウトでスコアを伸ばした

通算4アンダーに伸ばし、7月「スコットランド女子オープン」以来2試合ぶりの予選通過は確実。米国では6月初旬「ショップライトLPGAクラシック」以来となった。早朝のドライビングレンジではため息の連続で、「もう、どうしようもない。考えてもわかんないなって思いながら朝も練習していた」と明かす。「でも(ゴルフは)パットも、アプローチもあるし…そう(プレー中は)思っていたかは分からんけど(笑)」。4月の「JMイーグルLA選手権」の第2ラウンドを最後に遠ざかっていたノーボギーラウンドには一定の満足感があった。

序盤はショットを大きく曲げる場面もあった

この日のパーオン率は83.33%(15/18)で「(前日から)2倍くらい。増えたー!と思った」と苦笑いした。「そういうところから増えていかないと厳しいゴルフになる。まだまだ再現性も高くないし、コントロールも全くできてない。その割には頑張ったかな」。もちろん現在の調子、年間ポイントレース88位という現実的なポジションを思えば、楽観的ではいられない。「シード(80位まで)を取るには予選通過していかないといけない、トップ10入りもしていかなきゃいけない。でも、焦らないようにしたいです」。週末も着実な一歩を踏み出したい。(オレゴン州ポートランド/桂川洋一)