(15日、第107回全国高校野球選手権大会2回戦 明豊6―1佐賀北) 互いに無得点で迎えた三回裏、1死一、二塁のピンチ…
(15日、第107回全国高校野球選手権大会2回戦 明豊6―1佐賀北)
互いに無得点で迎えた三回裏、1死一、二塁のピンチ。明豊の大堀羚斗(れいと)投手(3年)は、先発の大浦崇輔投手(3年)からマウンドを託された。「絶対に抑えてやる」。強い気持ちでボールを握りしめた。
神戸市出身。祖父に連れられ、小学生のころから甲子園で何度も観戦。「あのマウンドに立ちたい」。思いをかなえようと、強豪の明豊に進んだ。
2年の時、甲子園でのベンチ入りを果たしたが、登板機会はなかった。力を磨き、今夏の大分大会では3試合に先発。チーム最多の15回を投げ、5連覇を支えた。
この日、憧れのマウンドを初めて踏みしめた三回の場面。最初の打者に安打を浴びた。満塁にピンチが広がったが、中学時代にもバッテリーを組んだ辻田拓未捕手(3年)のサインを信じ、腕を振った。続く4番打者を内野ゴロの併殺に打ち取り、無失点。相手に傾きかけた流れをとめ、小さくガッツポーズをしてベンチに戻った。
チームは五回、辻田捕手の適時二塁打で3点を先制し、六回も1得点。だが大堀投手はその裏、先頭打者に安打を許し、交代を告げられた。
「観客がいっぱいで、最高の舞台。もっと投げたい」。次戦もチームに貢献できる投球をしたい。「まっさらなマウンド」に立つ先発も狙う。(大村久)