◇米国女子◇ザ・スタンダード ポートランドクラシック 事前(13日)◇コロンビア・エッジウォーターCC (オレゴン州)…

渋野日向子はメジャーの悔しさを振り切って残りのシーズンへ

◇米国女子◇ザ・スタンダード ポートランドクラシック 事前(13日)◇コロンビア・エッジウォーターCC (オレゴン州)◇6497yd(パー72)

気持ちが目いっぱい入る歴代優勝者としての闘いも悔しい2日間だった。2週前の「AIG女子オープン(全英女子)」で渋野日向子はカットラインに1打届かず予選落ち。メジャーでは6月の「全米女子プロ」から「エビアン選手権」を挟んで3試合続けて決勝ラウンドに進めなかった。

日本に一時帰国したときは「ちょっとヤバいな…という感じはありました」と好成績が遠い現状を悲観したという。「でも…なるようになる」。落ち込んでばかりではいられない。シーズンもキャリアもまだ続く。「すごく良い意味で切り替えなきゃいけないと思わせてくれるような全英だったので、前向きではあります」と妙な焦りは封じ込めてきた。

プロアマ戦の後は午後7時前まで練習

「シードがなかなか怪しいところ」と自ら切り出す。年間ポイントレース(レース・トゥ・CMEグローブ)は88位。出場優先順位「カテゴリー1」を維持するためには80位以内でフィニッシュする必要がある。今季のトップ10入りは7位だった「全米女子オープン」のまだ1試合。「ここからは予選落ちをなるべくしないように頑張ります」と、ポイントを少しずつでも積み上げる覚悟でいる。

開幕前日は午後4時過ぎからのプロアマ戦で最終調整。ドライビングレンジからスイング中の動きを丁寧に確認する様子があった。「持ち球のドローをしっかり打ちたい。手先よりも体でコントロールすることを意識できるように。なかなかその感じがなかったので、ちょっとずつできていけるように積み重ねていきたい」と体全体に集中力を張り巡らす。

2年ぶり出場の本大会は、28位に終わった2022年、最終日に1打差の4位からプレーし緊張感も味わった。「本当にきれいなコースで、グリーンも全英に比べるとすごく速いので、(パッティングの)距離感を合わせるのに必死。グリーンは止まる。ラフもねちっこくはないけれど、長い感じ」と、まずは欧州仕様のゴルフを米国モードに戻したい。「本人と(自分に)関わってくれている周りの人は違うかもしれないですけど、周りが見ているのは結果なので」。表情に強い決意をにじませた。(オレゴン州ポートランド/桂川洋一)