◇国内女子◇NEC軽井沢72ゴルフトーナメント 事前(13日)◇軽井沢72G北コース(長野)◇6625yd(パー72)…

国内男女ツアーの「ミニドラ事情」とは

◇国内女子◇NEC軽井沢72ゴルフトーナメント 事前(13日)◇軽井沢72G北コース(長野)◇6625yd(パー72)

ジャスティン・ローズトミー・フリートウッド(ともにイングランド)など、海の向こうではミニドライバー(以下ミニドラ)を使う選手が散見される。松山英樹スリクソンの未発表ミニドラを試したという情報が入った。では、国内男子ツアーではどのぐらいの使用率なのだろうか。

ティショットでの飛距離に驚く

男子ツアーの事情を探るその前に。なんと(!)女子ツアーで“ミニドラ使い”を発見した。使い手は山路晶。今週の軽井沢72で、契約するテーラーメイドのミニドラ「r7 QUAD」を使用するというのだ。「上げにいこうとしなくても球が上がってくれて、スプーンとそんなに高さが変わらない。それでいてスプーンより距離が出る」と、ロフト13.5度モデルが気に入った。

ロフト13.5度を使用

この日の練習ラウンド、9番パー5ではアゲンストながら、2打目をグリーン近くまで運んでいた。元々スプーンも得意という山路は、ミニドラを自在に使いこなす。「(軽井沢72の)1番や4番って左がちょっと気持ち悪いホールで、左に行くと突き抜けて木のほうにいってしまうんですよ。でもこのミニドラだと低くティアップしてラインを出すような球が打てて、左が怖くないんです」とティショットでの活躍にも期待が膨らむ。ドライバー並みの飛距離(キャリー240yd近く)が出ていて、山路に使わない選択肢は無かったようだ。

9番パー5で2打目をグリーンそばまで運ぶ

さて、男子ツアーに話を戻そう。2週前「リシャール・ミル チャリティトーナメント」で調査したところ、前出「r7 QUAD」ユーザーが最も多かった。同大会優勝の池村寛世を始め、村上拓海新村駿ら契約選手もそのレトロなコスメのミニドラを使用する。その他、近藤智弘谷原秀人上井邦浩もテスト中。11.5度と13.5度のロフト設定だが、みな後者を選んでいた。

ミニドラで優勝をつかんだ

池村に話を聞くと、「スプーンよりヘッドが大きいので、やさしくて球を拾ってくれる感じがあります。ティショットもけっこう飛んでくれて、260~270ydを計算できる。290ydでバンカーに入ってしまうホールなどでよく使っています」と活躍の幅は広い。さらに、「打ち込んでも左に行かないので、上から潰してスピンを入れて球を止めることもできる。テーラーのミニドラは歴代どれもいいですよね」と池村。13.5度のヘッドでロフトを1度寝かせて14.5度に、さらに可変式ウエートを「後ろが重いとヘッドが垂れて右に飛んでいきやすい」と後ろ3g、前8gの前重心設定にしている。

前側のウエートを重くしている

他メーカーのミニドラ事情を探ると、続いて多いのはタイトリストのミニドラ「GT 280」だった。コースよってスプーンとミニドラを入れ替えるというのは勝俣陵。「スプーンよりヘッドがでかくて楽。距離が出るので、ロング(パー5)が長いコースでよく入れています」と、ことしは5月「関西オープン」とリシャール・ミル以外はミニドラだった。スプーンが260ydなのに対して280yd近く飛ぶ。そのうえ、「下(地面)から打った時にしっかりスピンが入ってグリーンで止まってくれます。他にもドライバーだと気持ち悪いホールで、スプーン要素でもっと簡単に打ちたい時とかにもいい」と万能性も高いようだ。

GT280がお気に入り

アマチュアに人気のキャロウェイのミニドラ「ELYTE MINI」や、その他コブラやPXGなどは使用選手を見つけられなかった。みんな気になるミニドラ事情、今後定期的に情報をアップデートしたい。(長野県軽井沢町/服部謙二郎)