(11日、第107回全国高校野球選手権1回戦 東海大熊本星翔10―7北海) 「第1打席を一番大事にしている。何でもいいか…

(11日、第107回全国高校野球選手権1回戦 東海大熊本星翔10―7北海)

 「第1打席を一番大事にしている。何でもいいから出塁を狙いました」と、東海大熊本星翔の福島陽奈汰(ひなた)は言う。

 先頭打者の自分が出て、後続がかえす。それが、東海大熊本星翔の攻撃リズム。一回、四球で出塁し、主軸の連打で生還した。これで、熊本大会から6戦連続の先制ホームイン。仲間に〝行ける〟という勢いを呼んだ。

 2年生で切り込み隊長を任せられている。非凡さが出たのが、同点の七回無死一、二塁。熊本大会で1度しか出なかった犠打のサインで、セーフティーバント気味に三塁へ転がした。俊足を飛ばし、オールセーフ。その後、打線は6得点した。

 関西に入ってから、体重が1、2キロ増えた。「宿舎の食べ物がおいしくて」と、はにかむ。短いダッシュなど瞬発系の運動を増やし、1回戦に備えた。冬場は筋力トレーニングに励み、5キロの増量。スピードとパワーを手に入れたことが、今夏の活躍につながっている。

 校名が東海大二だった1983年の初出場以来、4度目の挑戦で甲子園初勝利だ。3安打4得点の活躍で「絶対に達成すると言い合っていた」という白星をものにした。

 もう一つ、負けられない理由があった。熊本などの豪雨の影響で、地元の応援団が甲子園へ到着できなかった。次の2回戦で雄姿を見せられる。(福角元伸)