(8日、第107回全国高校野球選手権大会1回戦 綾羽6―4高知中央=延長十回タイブレーク) 1点リードで迎えた八回表1…
(8日、第107回全国高校野球選手権大会1回戦 綾羽6―4高知中央=延長十回タイブレーク)
1点リードで迎えた八回表1死三塁。高知中央のエース松浦伸広投手(2年)にようやく出番が来た。先発の堅田徠可(くうが)投手(2年)から継投して4人目の登板だった。
高知大会では準決勝まですべて先発した松浦投手だが、決勝で試合開始直前にひじの痛みを訴えて投球を断念。急きょ登板した堅田投手が最速151キロの迫力で完投し「みんなが連れてきてくれた甲子園」だった。
「今度こそ、少しでもチームのために」。そんな思いで、八回は後続を打ち取り、無失点で切り抜けた。だが九回、連続安打を許し、守備の乱れもあって同点に追いつかれた。
試合は延長タイブレークに。すでに午後10時を回っていた。
十回、甘く入った直球を大きく右中間に運ばれ、連打も浴びて勝ち越された。スタミナが尽きかけていた。
4点を取られて戻ったベンチ。仲間たちは「取り返す」「大丈夫」と明るい表情で迎えてくれた。打席へ声援を送り続けると、本当に2点、取り返してくれた。いいチームだな、と思った。
試合終了は午後10時46分。夏の甲子園で記録が確認できる限り、最も遅い時間まで続いた激闘だった。
「ピンチの時にギアを最大まで上げられなかったことが悔しい。頑張ってまた来年、必ずここに来る」と誓った。
先発した堅田投手は3回を投げて無失点に抑えたが、手に血豆ができて、予定より早くマウンドを降りた。
「もっと後半まで投げて松浦に託したかった。来年こそは勝ち続けられるよう、2人で頑張っていく」
4人の投手を支え続けた延川仁捕手(3年)は「松浦はスライダーもキレていていい状態だったけど、自分の配球で打たれてしまった感じなので申し訳ない」。
ただ、「勝ち負けの結果は悔しいけど、本当にみんな、やりきった感じがある。やりきれて、幸せでした」と汗をぬぐった。(原篤司)