(8日、第107回全国高校野球選手権大会1回戦 東洋大姫路5―3済美) 誰もお前を止められぬ――。一塁側アルプスから届く…

(8日、第107回全国高校野球選手権大会1回戦 東洋大姫路5―3済美)

 誰もお前を止められぬ――。一塁側アルプスから届く応援歌で力がみなぎる。東洋大姫路の白鳥翔哉真(ひやま)(3年)は右に左に、安打を打ち分けた。

 一回、相手の先発は予想していなかった左腕だった。それでも「2ストライクから、しっかり腕をたためた」と先制の右前適時打を放った。

 二回途中から代わった相手右腕に苦しむが、七回に捉えた。変化球を流し打ってだめ押しの左前適時打。その直前は、1番渡辺拓雲が左前安打、2番木本琉惺が犠打で送って1死二塁とし、3番高畑知季の二塁打で勝ち越し。強打の東洋大姫路が、やっと目覚めた。

 「みんなが最高の役割を果たして、すごく良い流れで自分もつなげた」

 兵庫大会は全7試合で安打をマークし、25打数17安打で打率6割8分と圧倒的な数字を残した。強力打線を引っ張り、チームを14年ぶりに夏の大舞台に連れてきた。左の安打製造器は、甲子園でもバットコントロールがさえている。

 父が、プロ野球阪神で「代打の神様」と呼ばれた桧山進次郎さんの大ファン。名前の「ひやま」の由来になった。「絶対に覚えてもらえるし、気に入っている」。同じ左打者。現役時代の映像を探し、打撃の参考にしたこともある。

 「まじめと言われるんです」と頭をかく。昨年の兵庫大会後に左足を骨折したが、体幹トレーニングを毎日コツコツとこなした。「自分次第で結果は変わる。今は4番を任せてもらっているので、サボれない」。日課の筋トレは、試合2日前も欠かさなかった。

 この日は2安打2打点。「野球が楽しい」と笑みがあふれた直後、「でも、チャンスで三振してしまった。これからも頑張らないと」。気をつけの姿勢で、さらに背筋をぴんと伸ばした。(室田賢)