盟友である坂本(左)とともにグラウンドに立った田中(C)産経新聞社 勝利はならずも、“手応え”を掴んだようだ。 巨人の田…

盟友である坂本(左)とともにグラウンドに立った田中(C)産経新聞社

 勝利はならずも、“手応え”を掴んだようだ。

 巨人の田中将大は、8月7日のヤクルト戦(東京ドーム)で、約3か月ぶりに一軍登板。白星こそ逃すも、5回2/3を投げて、2失点(自責1)の好投。相手先発の石川雅規とともに、ベテラン投手らしいゲームメイクを見せた。

【動画】満塁のピンチで圧巻K! 田中将大が吠えた奪三振シーン

 この日にかける想いは強かったと思う。

 慣れ親しんだ楽天、そして仙台の街を離れた田中は、今季から巨人に加入。MLB時代を含め初めての移籍で、「外様」として過ごすのは初めてのシーズン。しかも、右肘に手術を執行してから2年目、満37歳のベテランとはいえ、自らの力を証明しなければならない。

 開幕直後に1勝を挙げたが、その後は2試合続けての背信投球。一つのマイルストーンとなる「日米通算200勝」へのカウントダウンは、なかなか進まない。残り2勝から、長い二軍暮らしを余儀なくされた。それでも桑田真澄二軍監督の下、腐らずに課題を一つずつ潰し、田中は真っ直ぐのキレを取り戻した。

 周囲はどうしても「もう終わりなのではないか」と厳しい目を向ける。状況を考えれば、それはある程度仕方のないこと。覆すには「結果」を残すのみ。今回の一軍再昇格はおあつらえ向きの舞台だった。

 親交の厚いももいろクローバーZ『Acceleration』に乗せて、「11」番を背負う田中がマウンドに上がった。この日は偶然にも、ももクロのメンバー・佐々木彩夏さんがファーストピッチを務め、場は温まっていた。田中は初回から快調にピッチングを続け、3回まで完全投球を見せる。

 真っ直ぐの球速は149キロまで上がっており、春先や右肘痛に苦しんだ頃に比べると雲泥の差。スプリットやカットボールのキレも増しており、抑えるのも納得できる内容だった。

 ただ、本人も課題に挙げたように4回以降は四球がかさんだ。

 4回2死から内山壮真、村上宗隆に連続で四球を与え、ホセ・オスナに同点打を浴びた。5回は無失点で切り抜けるも、2死から連打のあと、岩田幸宏を歩かせた。丸佳浩の犠飛で勝利投手の権利を得た6回も、2死一塁で長岡秀樹に四球を与えて降板。代わった船迫大雅が中村悠平に再び追い付かれる適時打を打たれた。

 久しぶりの一軍登板は104球の熱投だった。良かったところ、課題の出たところの両方が見られるマウンドだった。

 試合後、阿部慎之助監督と杉内俊哉投手コーチは次回登板の確約はしなかったようだが、また投げる機会は遠くない時期に来るだろう。今の巨人は先発陣が決して豊富ではない中、8月は31日間で27試合をこなさなければならない。1人でも多くゲームメイクできる投手が必要になっている。

 また、この日の東京ドームの雰囲気は異様だった。田中の醸し出す緊張感が球場を覆ったのか、1球ごとのリアクションが非常に大きかった。無論、日米通算200勝を知るファンは、二軍でもがく姿も見ていることだろう。それだけの期待をされるスターだからこそ、今のチーム状況で、できることはある。

 小学時代からの盟友・坂本勇人も同じグラウンドで奮闘している。田中だって負けてはいられない。ジャイアンツでの日々はこれからも続いていく。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]

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