真夏のマウンドでギアが上がってきている大谷(C)Getty Images 世界的な注目を集めた復帰マウンドから早くも8登…

真夏のマウンドでギアが上がってきている大谷(C)Getty Images
世界的な注目を集めた復帰マウンドから早くも8登板。「投手」としての大谷翔平は、格の違いをまざまざと球界に知らしめている。
現地時間8月6日に本拠地で行われたカージナルス戦は、その違いを明確に見せつけた。「1番・投手兼DH」で先発登板を果たした大谷は、今季最長となる4回(54球)を投げ、被安打2、1失点、与四死球0、8奪三振と好投した。
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打ってもメジャー通算1000安打となる一時逆転となる39号2ランを放ったこの日、観る者の度肝を抜いたのは、カージナルスの地元放送局『KSDK』が「彼が4回でマウンドを降りたのはカージナルスにとっては朗報だった」とも伝えた投手としての活躍だったのは間違いない。
去る6月16日のパドレス戦で復帰して以来、「投手・大谷」は19イニングを消化。リハビリの経過も考慮されたスモールサンプルながら、防御率2.37、WHIP1.11、奪三振率11.84と図抜けた成績を並べている。
そんな大谷の投手成績の中で興味深いのは、軸となる4シームの球速帯の向上だ。右肘の故障による離脱を余儀なくされる以前の23年に96.8マイル(約155.7キロ)だった彼の平均球速は、98マイル(約157.7キロ)にまで上昇。100マイル(約160.9キロ)を超える速球を小気味よく投げ込む姿を見せつけ続けている。
とてもじゃないが、肘にキャリア2度目のメスを入れた選手のそれとは思えない向上ぶりである。ちなみに大谷の4シームの平均球速はメジャー全体でも21番目に入る値だ。相当な負荷がかかることは想像に難くないが、これだけのアベレージを打者として39本塁打を放ちながら叩き出している事実だけでも彼の異能ぶりが際立っていると言えよう。
復帰に向けた過程では「馬鹿馬鹿しいほど遅い」(リハビリのコンサルタント、ウィル・キャロル氏談)と否定もされた大谷。だが、本人が「感覚は術後から凄い良い」と力説し、スピードも段違いとなっている現状を見るに、ドジャース首脳陣が慎重を期して段階をふませてきたプロセスは価値があったと言えるのではないか。
米球界内でも「当たり前と思わないでくれ」(米スポーツ専門局『CBS Sports』のダニー・ヴィエッティ氏談)と言われる「投手・大谷」は、最終的にどこまで成績を収めるのか。その行く末に興味は尽きない。
[文/構成:ココカラネクスト編集部]
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