ダートで一時代を築き、当時の日本競馬史上最多となるGI&JpnI計10勝を挙げたホッコータルマエ。そんな彼が重賞初制…

 ダートで一時代を築き、当時の日本競馬史上最多となるGI&JpnI計10勝を挙げたホッコータルマエ。そんな彼が重賞初制覇を果たした12年のレパードSを振り返る。

 ホッコータルマエは父キングカメハメハ、母マダムチェロキー、母の父Cherokee Runの血統。北海道・浦河の市川ファームの生産。10年のセレクションセールで1500万円(税抜)で取引された。栗東・西浦勝一厩舎から3歳1月にデビュー。2戦目で初勝利を挙げると、1勝クラスは3戦でクリア。オープンの端午Sで3着に健闘すると、続く1000万下の青梅特別を快勝。重賞初挑戦のジャパンダートダービーは5着に終わったが、中3週でレパードSに向かった。

 外国産馬のイジゲンが単勝オッズ2.4倍の1番人気に推された一戦、ホッコータルマエは4.6倍の2番人気だった。レースは4番人気のダノンゴールドが逃げて、前半1000mは61秒4。重賞にしてはゆったりと流れた。こうなると後方追走のイジゲンは苦しくなる。逆に展開を味方に付けたのが好位追走のホッコータルマエだ。4角で前に並びかけると、残り200m手前で先頭へ。必死に追ってきた3番人気のナムラビクターをクビ差凌ぎ、夏の越後路で初タイトルをつかみ取ったのだった。

 その後、しばらくは惜敗が続いたホッコータルマエだったが、4歳を迎えて本格化する。佐賀記念から破竹の5連勝でかしわ記念、帝王賞などを制覇。7歳の引退までに当時の日本競馬史上最多となるGI&JpnI計10勝を挙げた。そして現在は種牡馬として活躍中。これまで産駒はレパードSに5頭が出走し、24年のピュアキアンの6着が最高だが、近い将来、父仔制覇が見られることを期待したい。