(28日、第107回全国高校野球選手権奈良大会決勝 天理3―2智弁学園) 決勝の前夜、智弁学園の中道優斗(3年)はある動…
(28日、第107回全国高校野球選手権奈良大会決勝 天理3―2智弁学園)
決勝の前夜、智弁学園の中道優斗(3年)はある動画を見た。昨夏の全国大会初戦、九回2死から同点適時打を放ったときの打撃だ。試合前には必ず見て、モチベーションを上げてきた。
「甲子園は人生が変わる場所」。観客の大歓声に後押しされた。先輩に率いられた大舞台へ、今度は仲間や後輩をつれていく責任を負った。
天理との決勝は、順調な滑り出しだった。一回裏の先頭打者に立ち、初球を中前に運んだ。角谷哲人(2年)の左前安打で本塁を踏んだ。
だが、その後は4打席凡退。研究され、厳しいコースを突かれた。3年連続出場の夢は、あと一歩で絶たれた。
厳しい1年だった。春の県大会はコールド負けした。打順は4番から1番に。遠くへ飛ばすより、チームのために強く低い打球を心がけるようになった。朝4時に起きて素振りを繰り返した。
ノーシードで臨んだ今大会。初戦で強豪の高田商、次戦でシードの奈良を破るとチームは勢いに乗った。自身も準決勝で待望の本塁打を放ち、自信を取り戻した。「気持ちだけは一番強かった」と胸を張った。
「プロ野球の選手になって、鍛えてくれた監督に恩返しがしたい」。新たな宿題に、いつか答えを出すつもりだ。(井上秀樹)
■緊迫した接戦、天理が制す
天理が、最後の1球まで勝敗の行方が分からない緊迫した接戦を制し、昨秋から県内無敗のまま優勝を決めた。天理は1点を追う二回、吉田の中前安打と石井の左翼線への二塁打で1死二、三塁とし、松村が左翼席へ3点本塁打を放って逆転。松村、橋本、長尾の3投手が継投でリードを守った。
智弁学園は一回、中前安打で出塁した中道が角谷の左前安打で生還し先取。2点を追う七回にも角谷が右前適時打を放って追い上げると、九回には太田の安打などで2死満塁とし、逆転サヨナラの好機を作り、最後まで粘りを見せた。