金丸は未だ初勝利ならずも安定したピッチングを続けている(C)産経新聞社 野球評論家の佐野慈紀氏が現在の野球界を独自の視点…

金丸は未だ初勝利ならずも安定したピッチングを続けている(C)産経新聞社

 野球評論家の佐野慈紀氏が現在の野球界を独自の視点で考察する「シゲキ的球論」今回は独走する阪神に抗っていく存在が現れるかという視点で語る。

 セ・リーグ首位の阪神が独走ムードを高めている。7月27日のDeNA戦(甲子園)にも7-1と大勝。後半戦最初のカードを2連勝と強さを見せ、今季最多の貯金「20」、29日にもマジックが点灯する勢いとなっている。

【動画】中日・金丸夢斗が鮮烈の1球!内角へ152キロのストレート

 阪神の強さに関して佐野氏も「投手力、打線ともにほぼ隙がない。他球団は後半戦、よほどの爆発力を見せないと逆転Vは厳しい」と見通しを語る。

 筆頭にあげられるのは10ゲーム差をつけられている2位の巨人だが「やっぱり直接対決で負けすぎていますよね」と、対阪神戦を5勝13敗と大きく負け越しているとあって、どうしても不利は否めない。

 そんな中、注目したのは「なぜか阪神は中日に相性が良くない(ここまで5勝7敗)」(佐野氏)と井上一樹監督率いるドラゴンズの不気味さだ。前半戦終盤には阪神に2連勝とするなど破竹の7連勝も記録、セ・リーグでは唯一、阪神に勝ち越していることもひそかに注目されている。

 中日が阪神に強い理由について佐野氏は「元々、昔から、阪神は中日との相性が良くない部分があるんですよね」と前置きしながら、「中日は投手力が安定している。その中でつながりのある打線ができつつありますね」と"中日の野球"ができつつあるという。

具体的には「ボスラーが日本野球に対応してきていますし、正直、シーズン序盤はやりたい野球が見えなかったが、点が取れれば勝てるチームだとは思ってます」ときっぱり。

 打線では助っ人のジェイソン・ボスラーに注目しているとしながら、「井上監督はものおじせずにはっきりものをいうタイプだと思っているので、それが選手に伝わっているのではないかなと」指揮官のハンドリングも効いていると分析した。

 また、中日投手陣で佐野氏が一押しするのが大型ドラ1左腕の金丸夢斗だ。

 中日のドラ1ルーキーは5月にプロ1軍デビューを果たすと、ついに前半戦ではプロ初勝利をあげることができなかった。

 ただ前半戦8試合に先発登板の中、7試合でQS(6回以上、自責3点)をマーク。防御率2.41と試合を作っている。金丸の登板試合はなぜか打線の援護に恵まれないことも注目されている。

 佐野氏も「いや、ものすごく良いピッチャーですよ! 僕はすごく好きです。早く勝ってほしいですね」と絶賛する。

 投手として優れている点について佐野氏は「ゲーム支配率がものすごく高いです。もちろん試合なので打たれることはありますが、自分のペースでピッチングできている。これは新人には難しいことですよ」と分析。

 また「いろいろいい球がある中で、僕が好きなのはまっすぐの軌道がいいところ。リリースからミットまでの軌道が理想的。打者は数字以上に球の速さを感じていると思います。なかなかできないですよ」とキレ味鋭い投球が打者にも驚異になっているとして、金丸の才能を高く評価。

 セ・リーグを盛り上げるためにも中日の奮起は欠かせない。佐野氏は「秋口にかけて暴れまくってほしいなと期待しています」と締めくくった。

【さの・しげき】

1968年4月30日生まれ。愛媛県出身。1991年に近鉄バファローズ(当時)に入団。卓越したコントロールを武器に中継ぎ投手の筆頭格として活躍。中継ぎ投手としては初の1億円プレーヤーとなる。近年は糖尿病の影響により右腕を切断。著書「右腕を失った野球人」では様々な思いをつづっている。

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