(第107回全国高校野球選手権愛知大会決勝 豊橋中央6―5東邦=延長11回タイブレーク) 「気持ちいいな。抑えたら最高…
(第107回全国高校野球選手権愛知大会決勝 豊橋中央6―5東邦=延長11回タイブレーク)
「気持ちいいな。抑えたら最高だろうな」
1点差に迫られた延長十一回裏、豊橋中央のエース・高橋大喜地(だいきち)投手(3年)は、極限の場面を楽しんでいた。最後の打者を右飛に抑えると、捕手の松井蓮太朗選手(3年)とマウンドで抱き合った。
松井選手とは、小学4年生からバッテリーを組む。中学では、豊橋市のクラブチームで全国8強まで勝ち進んだ。高校も「エースとして、強豪を倒して甲子園に行きたい」と地元の豊橋中央に進学。示し合わせなくても、松井選手も同じ道を選んでいた。
昨夏は1試合の登板に終わり、正捕手だった松井選手は骨折で離脱した。チームは準々決勝で敗れた。同じく中学でチームメートだった阿部葉太選手(3年)は、横浜(神奈川)の主将として今春の選抜大会で頂点に立った。活躍を見せつけられて、燃えないわけがなかった。
そしてこの夏、チームは強力打線を強みに初の決勝まで駒を進めた。相手は18回目の夏の甲子園をめざす東邦。春の県大会では相手の先発・久田泰心投手(3年)に投げ負けた。でも、「打たれるイメージはない」と、140キロ台前半の直球とスライダーで攻めた。
何度も迎えたピンチでは、好きな元プロレスラー・アントニオ猪木さんの顔まねを見せた。今大会ずっと続けてきたルーティンで、「たかぶったとき、心が落ち着く」という。相手の応援が大きくなると、それに乗ってリズムを刻んだ。まるで遊ぶように躍動し、甲子園の夢をかなえた。
やっとたどり着いた憧れの舞台。「見ている人を楽しませて、自分も楽しみたい」(松本敏博)
■試合の経過
豊橋中央は三回に逆転後、五回に成瀬と花井の連続長打で加点。十一回は無死満塁から松井が2点適時打を放った。さらに重盗で1点をもぎ取り、これが決勝点。エース高橋は十一回を投げ、与えた四死球1。ピンチでも制球重視で粘り強く耐えた。
東邦は初回に朝倉の適時二塁打で先制。九回に相手の失策絡みで同点とし、タイブレークに持ち込んだが、あと一押しができなかった。