来日を目前にし、準備を進めていたバルセロナの面々。彼らにとっても神戸戦中止の知らせは驚きだった(C)Getty Imag…

来日を目前にし、準備を進めていたバルセロナの面々。彼らにとっても神戸戦中止の知らせは驚きだった(C)Getty Images
来日を目前した名門クラブの極めて異例な発表が波紋を呼んでいる。
現地時間7月23日、昨季のラ・リーガ王者であるバルセロナは、今月27日にノエビアスタジアム神戸で開催が予定されていたヴィッセル神戸とのチャリティーマッチへの参加を中止すると発表した。
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来日前日の異例な決断である。バルセロナは、公式声明において「主催者側の重大な契約違反があった」と強調。また、アジアツアーの公式プロモーターである韓国の「D-DRIVE」社で代表を務めるハン・ソル氏は、日本でのツアーを共催していたヤスダグループが「契約違反を犯した」と説明。掲載された声明で同社は「本日、試合の代金全額を受け取る予定でしたが、最終的に資金は届きませんでした」とし、こうも記している。
「ヤスダグループは無効または偽造された書類を繰り返し提出し、すでに韓国に送金されたと虚偽の主張をして私たちを欺いていました」
日本行きが目前に迫り、新シーズンに向けた選手たちの準備も始まっていた段階で下された急転直下の決定には、スペイン・メディアも騒然。国内の大手紙『Marca』は、依然として韓国での親善試合開催の可能性が残されていることを指摘しつつ、「今回の決定はハンジ・フリック監督が率いるチームの競技面および財政面にとって深刻な痛手ともなる」と強調した。
また、バルセロナの贔屓紙でもある『Mundo Deportivo』は「この決定はあまりにも迅速で、選手たちを含め、誰もが驚きを隠せなかった」と来日中止を知らされたチーム内の様子をリポートしている。
「選手たちは声明発表の直前、夕方にこの事実を知った。クラブ関係者とテクニカルスタッフたちはWhatsAppのグループチャットを通じて選手たちに伝えただけだった。あくまで個人的な内容ではなかった。関係者によれば、選手全員がこの発表に衝撃を受けたという」
また、SNS『Ttwitch』の番組「Jijantes FC」の取材を受けたラファエル・ユステ副会長は「我々はこれからもクラブの重要性を守っていく」と説明。その上で「今は韓国に行くために動いている。日本へは行かないよ。なぜなら彼らにはクラブへのリスペクトが無かったからだ」と憤りを隠そうとはしなかった。
今後はチケットの払い戻しなどを含めて混乱は必至。現地時間7月24日には、全国紙『Marca』など複数のスペイン・メディアがバルセロナ関係者が「日本に向かう可能性は90%」と話したことを報道。ヤスダグループが支払わなかった試合の代金を、チケット販売を担当していた楽天グループが肩代わりする役割を果たしたとされるが、果たして、騒動はいかなる決着を見るか。
[文/構成:ココカラネクスト編集部]
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