<全国高校野球選手権埼玉大会:聖望学園13-12大宮北>◇21日◇5回戦◇レジスタ大宮球場 Cシード・大宮北とDシード・…

<全国高校野球選手権埼玉大会:聖望学園13-12大宮北>◇21日◇5回戦◇レジスタ大宮球場

 Cシード・大宮北とDシード・聖望学園との一戦。大宮北はこの試合勝てば52年ぶりのベスト8となる。

 春も触れたが今年の大宮北、エースの伊藤実遥(3年)、背番号20・柏倉康佑(3年)の左右両輪、正捕手・橋本海里(3年)、レフト・茂木大輝(3年)の4人が、さいたま市立城北中出身で、全日本少年春季軟式野球大会に出場経験がある。”打倒私学”を目指し同じ高校へ入学した最強世代だ。

 試合序盤は大宮北が圧倒していた。

 先頭の延原孝介(2年)が左中間へ二塁打を放つと、その後3番・川端峻(3年)、6番・森下湧人(3年)に適時長短打を放ちまず3点、続く柴田大悟(3年)も2ランを放ち初回から一挙5点のビックイニングを作る。

 その裏1点を失うも、大宮北打線の勢いは止まらない。4番・橋本、5番・茂木の連続適時打でさらに2点を奪い7対1とする。

 聖望学園も地力があるだけに、このまま勢いで一気にコールドペースに持ち込みたい所であったが、誤算もあった。1つ目の誤算は守備の乱れ。

 3回裏、2死二、三塁から内野ゴロに打ち取るも一塁悪送球で2点を失う。

 この辺りの状況を見て佐々木監督は、「コールドはない」と、腹を括る。

 活発な大宮北打線はそれでも、4回表に川端、茂木、8番・関口慶(3年)、9番・西垣太智(3年)、伊藤のヒットに相手の失策なども絡み、再度5点を奪うビックイニングを作り、12対3と、この試合最大となる9点差をつけた。

 2つ目の誤算は、エース伊藤の状態が一向に上がらないこと。

「持ち味であるインコースストレートがこの日全く決まらず外角一辺倒になりそこを狙われてしまった」と、佐々木監督は振り返る。

 元々、右打者8人の強打者が並ぶ聖望学園打線に対し、左サイドの伊藤は相手にとって球筋が見やすく不利な状況。しかも生命線であるインコースが決まらないという状況ならば、本来2枚看板の1人右腕・柏倉の出番なのだが、

「柏倉は前の試合ダメで、使えるのであればもちろんこの日も使いたかったが、本人が乗っていなかった」(佐々木監督)

と、昨秋に腰を折り、椎間板症のリハビリを克服。春季大会終盤に戻ってきたばかり。一昨日の試合の内容も悪く無理して起用できない状況。

 その裏、聖望学園の猛反撃が始まる。

 この回先頭の小池龍都(3年)から4連打を浴び2点を失うと、さらに毛利祐斗(3年)の犠飛や森合大地(3年)の2点適時二塁打など、この回5点を奪い返され再度4点差となり試合の流れが一気に変わる。

 こうなると、伊藤から延原への継投タイミングが重要になってくる。当初は6回でマウンドを降りる予定だったそう。だが、7回裏は相手の打順が下位から始まるということで

「もう一回行かせようと。これは私のミス」(佐々木監督)

と、伊藤の続投を決断したが裏目に出た。

 7回裏に、大羽の犠飛と花崎力斗(3年)に2点適時打を浴び、この回3点を失う。ついに12対11と1点差まで迫られる。

 こうなると流れは聖望学園。

 8回裏1点差で大宮北の2番手に強心臓の延原がマウンドに上がるが、本来投手ではない2年生に全てを託すのはやや酷な場面であった。1死二、三塁から近藤翼(3年)に中前2点適時打を浴びついに12対13と逆転を許す。

 結局大逆転負けを喫し52年ぶりの夏ベスト8は幻に。

 大宮北過去最強世代の「打倒私学」への挑戦、今回はここで終わるが、あと一歩まで追い詰めたことは確かだ。

「(この日も猛打賞)先輩方に今までお世話になっているので恩返ししようと。最後は一塁が空いていたので厳しく行こうと思っていたが甘くなってしまった。今度こそ先輩方の分も自分が強豪私学を倒します」

と、延原は試合後この試合の責任を一身に背負い、嗚咽を漏らしながら誓った。新チームは彼が引っ張らなければならない。彼のコメントをと監督からの指名もあった。この日も3安打猛打賞。攻撃センスは申し分ない。延原と大宮北の挑戦に今後も注視していきたい。