投打で奮闘する大谷。異次元の活躍でファンを楽しませている(C)Getty Images ドジャース・大谷翔平にしか演じる…

投打で奮闘する大谷。異次元の活躍でファンを楽しませている(C)Getty Images

 ドジャース・大谷翔平にしか演じることができない初回の攻防だった。

 現地時間7月21日のツインズ戦で投手として今季6度目の先発マウンドに上がった。その先頭打者だった。バイロン・バクストンに高めのスイーパーを捉えられた。左翼席中段まで届く特大の先頭打者アーチを浴びた。

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 その裏、無死一塁で今度はやり返した。センターバックスクリーンへ真っすぐ、高く舞った逆転の今季35号2ラン。自らの失点を、自分のバットで帳消しにしてみせた。結局この本塁打が決勝打となり、ドジャースは連敗を3で止めた。

 MLB公式サイトもこの二刀流ならではの活躍を驚きをもって伝えた。「同じ試合で初回に本塁打を打ち、本塁打を打たれた投手は、1979年5月17日のレッズ戦でのフィリーズのランディ・ラーチを最後に現れることはなかった」と46年ぶりの珍事であることを強調していた。

 ちなみにラーチはこの試合に9番・投手で先発登板した。初回表に7得点を奪う打者一巡の猛攻があり、その中で左越えへソロ本塁打を放った。その裏、今度はレッズ打線の猛攻にあい、無死一、二塁から4番のデーブ・キングマンに3ランを浴びた。次打者を打ち取るも、続くジェリー・マーティンに二塁打を許し1イニング持たずに降板。1/3回を5安打5失点でKOされた。

 大谷自身はMLB公式サイトの取材に「あれは僕の失投でした。本当にいいバッターなので、そういった球は見逃さないなと思いました」と被弾したことについて答えている。

 同サイトによれば大谷が登板した試合で、初回に本塁打したのはこれが5本目。2本以上初回に本塁打したことがある投手は、メジャー史上他にはいないという。

「子供の頃は、ホームランを打たれた後にはダグアウトに戻って“取り返してやる”と話したよね。これは、あの頃の話のようなものさ。やられたくはないけどね、本当にクレージーで、ワイルドなことだよ」

 試合に敗れたバクストンも、同サイトの取材に興奮気味に答えていた。それほど、多くのメジャーリーガーにも衝撃的だった初回の投手・大谷と、打者・大谷のパフォーマンス。二刀流でしか描けないドラマは、まだまだ続いていきそうだ。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]

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