(21日、第107回全国高校野球選手権愛媛大会3回戦、松山東0―2宇和島東) 松山東の泉内佐工蔵(いずみうち・さくぞう…

 (21日、第107回全国高校野球選手権愛媛大会3回戦、松山東0―2宇和島東)

 松山東の泉内佐工蔵(いずみうち・さくぞう)主将(3年)はエースで4番。130キロ前後の速球に100キロ前後のスライダーを織り交ぜる緩急をつけた投球で、4安打2失点の好投。夏9回、春4回の甲子園出場経験がある宇和島東を苦しめた。

 身長182センチ。派手なガッツポーズやおたけびを上げることはなく、テンポよく投げ込む冷静なマウンドさばきで116球を投げきった。

 チームは一回から七回まで毎回走者を出し、うち一、二、三、六、七回はいずれも先頭打者が塁に出た。しかし、送りバント失敗や試みたスクイズの空振りなどがあり点を奪えなかった。

 試合後、泉内主将は「変化球に手を出させたり速球を詰まらせたりして、満足のいく投球でした。でもチームが負けたので。きちんとバントを決める、詰まりながらも外野に持っていくという差が出ました」と話した。

 球場を出て主将として父母らに「最後に良い試合ができました。ありがとうございました」と述べると涙があふれた。

 宇和島東の長滝剛監督(45)は「序盤は選手がバットに当てるだけでフルスイングさせてもらえなかった。どこかで1点先制されていたら逆の展開になっていたかもしれません。気迫のこもったピッチングでした」と語った。(堀江泰史)