◇メジャー最終戦◇全英オープン 最終日(20日)◇ロイヤルポートラッシュGC(北アイルランド)◇7381yd(パー71…
◇メジャー最終戦◇全英オープン 最終日(20日)◇ロイヤルポートラッシュGC(北アイルランド)◇7381yd(パー71)
最終組がスタートする10分前、人の波が1番ティから一気に動いた。ロリー・マキロイが地元で逆転優勝を果たす瞬間を見届けようと、多くのギャラリーが18ホールをついて歩いた。
どのホールに行っても、コースわきにはティイングエリアからグリーンまで客がビッシリ。人の輪が何重にもなって、マキロイのプレーを間近で見ようと追いかけた。首位と6打差から出た最終日は5バーディ、1ボギー1ダブルボギー「69」でフィニッシュ。スコッティ・シェフラーには7打及ばず通算10アンダー7位に終わったが、18番グリーンで浴びた歓声は誰よりも大きかった。
グリーンに向かって歩くマキロイに向けた拍手が鳴りやまなかった。「歩いているときは、感情を抑えようとした。あの歓迎は格別だった」と地元の声援を噛みしめるようにキャップを脱いで応えた。
前回当地で全英オープンが行われた2019年は、初日「79」と出遅れて予選落ち。4月「マスターズ」でキャリアグランドスラムを達成して凱旋した今年は、12位で予選通過すると3日目に「66」をマークして4位に浮上。最後まで地元ギャラリーをわかせた。
優勝したシェフラーには「今週は誰もスコッティに太刀打ちできなかった。本当に素晴らしい選手、全員が目指すべき存在」と賛辞を贈る。地元での全英制覇はかなわなかったが、6年越しに活躍する姿を見せられたことは大きかった。「クラレットジャグを除けば、望んでいたものが全て手に入った」と歓声に包まれた1週間を振り返った。
「R&Aが今後もこの会場を選んでくれるなら、まだ1、2回はここで(全英を)戦うチャンスがあるかもしれない。1回はまだ現役のうちに、もう1回は、もっと白髪が増えたころに」と笑う。「ここに戻ってプレーできたこと、少なくとも(優勝の)チャンスがあると感じられたこと。それだけでも、本当に素晴らしい週だった」と地元でのメジャーに幕を引いた。(北アイルランド・ポートラッシュ/谷口愛純)