◇メジャー最終戦◇全英オープン 3日目(18日)◇ロイヤルポートラッシュGC(北アイルランド)◇7381yd(パー71…
◇メジャー最終戦◇全英オープン 3日目(18日)◇ロイヤルポートラッシュGC(北アイルランド)◇7381yd(パー71)
ボールは目の前にあるのに、クラブを振れないことがもどかしい。前半8番で河本力が放ったセカンドショットはグリーン左の茂みへ。捜索の末にボールは見つかったが、制限時間の3分を10秒ほど超えていた。「日本でも経験はしているけど、ボールはあるのに打てないっていうのが…。慣れないですね。ルールなんですけど、すごく悔しい」。1罰打を受け、トリプルボギーになった。
メジャー3度目の挑戦で初の決勝ラウンドを戦う。「来る前から、『そろそろ予選は通らないと、ずっと一皮むけない』と話していた。(メジャーの)予選を通るか、通らないかで人生変わるくらいだった」と並々ならぬ思いがあった。だからこそ、頭ではルールと理解していてもやり切れない。
日本勢トップのイーブンパー34位から出たこの日は開始1番でボギーが先行。8番の「+3」で通算4オーバーまでスコアを落とした。序盤からショットが左に出る傾向はあったが、手応えは悪くなかった。それでも、「良い感じの球でも、5yd左に行ったら、硬い地面に跳ねて30、40ydいっちゃう」と小さなズレが大きなミスになるのがメジャー。悪い流れを断ち切ることができなかった。
歯を食いしばりながら、初のメジャーの週末を懸命に戦った。「この舞台に立ったからには、最後まで一打でも少ないスコアでプレーするのが責任。腐って、どうでもいいってプレーをすることだけは絶対やめよう」。自然と顔が歪むような場面も、うつむかなかった。
最終組を回った前日はホールアウトが午後10時ごろ。練習する間もなく宿に戻り、布団に入るころには日をまたいでいた。当然疲労は溜まるが、「今日はまだ練習ができる」と休む暇はない。「明日は同じミスをしないように。一打一打、できることに全力を懸けるだけ。60台を出したいです」。まだ25歳。せっかくのメジャーで、ちょっとの無理は厭わない。(北アイルランド・ポートラッシュ/合田拓斗)