(19日、第107回全国高校野球選手権兵庫大会4回戦 網干2―11小野) 快進撃を見せた網干の野球部員17人の「最後の…

 (19日、第107回全国高校野球選手権兵庫大会4回戦 網干2―11小野)

 快進撃を見せた網干の野球部員17人の「最後の夏」。一投一打に歓声があがった。

 「自分で取られた点は取り返さないと」。網干のエース長久桜大(ちょうきゅうおうだい)投手(3年)は、打席でグリップを握り直す。

 先発したが、四回途中4失点でマウンドを譲り、左翼に回った。その裏、2死二、三塁のチャンスで打席が回ってきた。内角の直球をはじき返すと、2点適時打となり、雄たけびをあげた。

 網干は県立学校の再編で、2027年に閉校する。部員たちの合言葉は「歴史を塗りかえる」。今春、1979年の創部以来初めて県大会出場を果たし、公式戦で過去最高成績のベスト16に進出した。長久投手の低めに制球された球と堅い守備で、1点差の試合を制してきた。

 今夏に向けて、チームは「最後の夏は絶対に春を超える」と課題だった打撃にも力をいれた。学校のグラウンドは狭いため、ケージの中でバットを振りこんできた。

 長久投手は八回途中、堤邦光監督から「エースが締めてくれ」と再びマウンドに送られた。「やってやろうと思ったが力んでしまった」。球が浮き、相手に突き放された。

 試合後、声を上げて泣いた。「単独出場は今夏が最後。このチームで野球をやれて楽しかったけど、悔いが残る夏になった」

 球場全体からは、網干の部員たちに温かい拍手がおくられた。目標にしていた8強には届かなかったが、チームにも観客にも「記憶に残る夏」になった。(原晟也)