(18日、第107回全国高校野球選手権秋田大会準々決勝、金足農9―0秋田西) 1点も奪えずに敗れた。けれど、胸を張りた…
(18日、第107回全国高校野球選手権秋田大会準々決勝、金足農9―0秋田西)
1点も奪えずに敗れた。けれど、胸を張りたい気持ちもほのかに残った。秋田西の伊藤礼選手(3年)は「後輩たちにプレーで見せることができた」と振り返った。
本来の遊撃手を離れ、この日は先発で登板。重ねた失点はスクイズや犠飛などによるものが大半で、決定打は喫しなかった。三回には一塁牽制(けんせい)で走者をアウトにする「技」を見せる場面も。
打席では六回。大会屈指の好投手、金足農の吉田大輝選手(3年)から右前安打を放った。「(2ストライクに)追い込まれ、最後は直球で決めにくると思った」と、その狙い球を振り抜いた。
体をつくり変えての夏だった。筋力トレーニングや食事を見直すなどして、冬場3カ月間で筋量は4キロ余り増加。増えた量はチームの中でもトップの水準だった。
「スイングの速さや飛距離が変わった」。11日の初戦では大会第1号の本塁打をグリーンスタジアムよこての左翼席に飛ばしている。
夏は1、2年時も野手で先発出場していた。「これまでよりも、悔いはないです」。最後の3度目を終えて抱いた心境だった。(隈部康弘)