<2025年全国高等学校野球選手権京都大会:京都国際3-2京都共栄(延長10回)◇18◇4回戦◇わかさスタジアム京都 昨…
<2025年全国高等学校野球選手権京都大会:京都国際3-2京都共栄(延長10回)◇18◇4回戦◇わかさスタジアム京都
昨夏の甲子園優勝校・京都国際と春の王者・京都共栄が4回戦で早くも激突。延長10回の激闘の末に京都国際が逆転サヨナラ勝ちを収めた。
京都国際はエースの西村 一毅投手(3年)が今大会初登板。10回を投げ抜き、5安打2四球に毎回の13奪三振で自責点0の好投を見せた。
小牧 憲継監督によると、西村は6月中旬から調子を落としていたという。それでも大一番には合わせてきた。
西村と言えば、チェンジアップを決め球としているが、「インコースのストレートで押せたのが良かったです」とこの日はストレートが冴え渡る。「浮いてしまう球が多かった」と言いながらも結果的に高めのストレートで空振りを奪う場面も目立った。
一方、春季大会でノーヒットノーランを達成している京都共栄のエース・小林 海翔投手(3年)も好投。「ベース上で球が来ていた」(小牧監督)と京都国際打線を抑え込み、6回まで3安打無四球の好投を見せた。
このまま両エースの投げ合いが続くと思われたが、京都共栄は7回から左横手投げの小原田 優弥投手(2年)に継投。小原田も7回に3三振を奪うなど、走者を出しながらも堂々とした投球を見せ、0対0のまま試合は延長戦に突入した。
無死一、二塁のタイブレークから始まる10回表、京都共栄は先頭の6番・斉藤 芳輝内野手(3年)が犠打を決めて、一死二、三塁とチャンスを広げる。
続く7番・竹内 啓介内野手(3年)の打席では2ボール1ストライクからスクイズを敢行。高めの球を打ち上げたが、これが投手と一塁手の間に落ちる内野安打となり、京都共栄が先制点を挙げる。
さらに京都共栄は一死一、三塁から小原田が中犠飛を放ち、1点を追加。2点リードで10回裏の守りに入った。
京都国際は秋、春と16強で西村が好投しながらも打線の援護がなく敗れている。「また一緒か」と小牧監督は思ったそうだが、ここから底力を発揮した。
10回裏の京都国際は先頭の8番・尾角 凌内野手(3年)が三塁側に絶妙なバントを決め、内野安打で出塁。無死満塁とチャンスを広げた。
ここで打席に立つのは西村を好リードしてきた9番の猪股 琉冴捕手。「前の打席と同じ球が来たので、狙っていました」と初球のスライダーをライト線に運び、2点適時二塁打で同点に追いついた。
さらに無死二、三塁と一打サヨナラのピンチを迎えた京都共栄は一塁手で出場していた足立 壮真投手(3年)に継投。1番の長谷川 颯外野手(3年)を歩かせて満塁策をとったが、2番・長谷川 瑛士内野手への初球が押し出しの死球となり、京都国際がサヨナラ勝ちを収めた。
鬼門の16強を突破して8強一番乗りを決めた京都国際。小牧監督もチームの成長を実感している。
「勝負どころで引いてしまう子たちだったんですけど、秋、春とやってきたことの課題を『自分たちでチーム力を高めて克服するぞ』と夏に入って、ようやくチームが一つにまとまってきました。何がなんでも負けたくないという気持ちが出せるようになってきたので、まだまだ発展途上の成長中のチームなんですけど、途中から出た子も、気持ちが攻めていたので、チーム力という部分に関しては成長かなと思います」
王者の意地が見えたこの試合。「次の試合に向けて、気を抜くことなく一戦必勝で戦っていきたいです」と西村は次なる戦いに向けて気を引き締めていた。