大谷の二刀流を舞台裏で支えてきたネビン氏は、ジャッジとの比較論に一石を投じた(C)Getty Images もはや当たり…

大谷の二刀流を舞台裏で支えてきたネビン氏は、ジャッジとの比較論に一石を投じた(C)Getty Images

 もはや当たり前のように大谷翔平(ドジャース)は二刀流を再始動させた。

 23年9月に右肘側副靭帯を損傷した「投手・大谷」は、キャリア2度目となる右肘への大規模手術を執行。その後、約2年にも及んだ過酷なリハビリ期間を経て、今年6月のパドレス戦で実戦復帰を果たした。

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 すでに5登板(9イニング)を消化し、防御率1.00、奪三振率10.00のハイアベレージも記録。スモールサンプルながらメジャー移籍以来自己最速となる101.7マイル(約163.7キロ)の4シームを投げ込むなどクオリティーも向上。その傍らで打者として打率.276、32本塁打、長打率.605、OPS.987という好成績をマークしている。

 そんな球界の常識を覆す活躍をふたたび始めた大谷には、かつての恩師も舌を巻く。22年6月から23年シーズン終了までエンゼルスで指揮を執ったフィル・ネビン氏だ。

 現地時間7月17日に米ポッドキャスト番組「Diggin’ Deep Shows」に出演したネビン氏は、大谷の二刀流を間近で支えてきた一人であり、桁違いの負担量を熟知する。自身が指揮を執っていた際の調整方法を問われた熱血漢は、「彼は中5日で投げて、それ以外はDHとして出ていた。とにかく彼の負担をコントロールするために決まった日に投げさせることを徹底していた」と証言した。

「日本での彼は時にライトを守って、1、2日ぐらい休んでから登板することもあったみたいなんだ。私は日本は基本的に月曜が休みで、6人でローテーションを回していると聞いて、それを実行した」

 外野手を務めさせることはなかったが、日本ハム時代の起用法をロールモデルとしたというネビン氏は、「とにかく彼の抱える負担はすごい量なんだ」と指摘。「打者・大谷」の主戦場となっているDHを軽んじる世間の風潮に釘を刺している。

「私はDHを簡単な仕事だと言うつもりは全くない。試合中は精神的にずっと集中を保たないといけないからね。そうした中でショウヘイにはちゃんと自己管理ができる力があった。実際、彼はデトロイトでのダブルヘッダーで、初戦に先発登板して完封勝利を挙げて、2戦目で2本もホームランを打ったんだ」

 さらにヤンキースでのコーチ時代にアーロン・ジャッジをサポートした実績を持つネビン氏は、「それでもショウヘイは別格だ」と力説。そして、こう続けている。

「誰もがショウヘイの凄さを当たり前のように見すぎてるように思う。たしかジャッジにMVPレースで敗れた年の彼は、防御率2.70くらいで、打撃成績もめちゃくちゃ良かったんだ。でも、みんながそれを『普通のこと』と捉えてしまっていたんだ。

 絶対に普通じゃないことなのにね。私が思うに二刀流をやっている限り、他の誰かが同じことをしない限りはショウヘイこそが一番価値のある選手だよ。もちろん私はジャッジのこともリスペクトしているが、二人の評価に関しては、正直に言って議論の余地があるよ」

 普通ではないことを普通に思わせてしまう。その事実こそ、大谷の異次元さを物語っていると言えよう。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]

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