(15日、全国高校野球選手権埼玉大会3回戦 滑川総合4―1浦和学院) 2年前の夏。甲子園の土に足を踏み入れた時、鳥肌が立…
(15日、全国高校野球選手権埼玉大会3回戦 滑川総合4―1浦和学院)
2年前の夏。甲子園の土に足を踏み入れた時、鳥肌が立った。
浦和学院の主将・西田瞬選手(3年)はチームの仲間と誓い合っていた。
もう一度、あの場所へ、この代で。
3年生になり、最後のチャンスだった。
約束の地にたどり着くには、「左の攻略が、今年の課題だった」(森大監督)。
昨秋、左腕エースを擁する浦和実に敗北したからだ。
悔しい。チーム内で左腕の投手を用意して練習を積み重ねた。
そして迎えた滑川総合戦のエースも左腕だった。
なかなか打ち崩せず打線がつながらない。初回から苦戦が続くが、西田選手が打線の火付け役になる。
六回表にインコースのストレートを捉えた。打線はつながり1点をもぎ取り、一矢報いた。
が、七回表に死球をくらう。代走が出てそのまま交代になった。
まだ出続けたい思いはあった。ただ、「仲間を信じて託した」。最後は三塁コーチャーとして、「ピッチャーと勝負してこい」と鼓舞した。
試合後、淡々と試合を振り返った西田選手。
しかし、仲間を前にすると、涙があふれた。「この仲間と甲子園に行きたかった」(折井茉瑚)