ジャッジを見事に抑えきった今永。(C)Getty Images 文字通りの圧倒だった。現地時間7月13日、敵地で行われた…

ジャッジを見事に抑えきった今永。(C)Getty Images

 文字通りの圧倒だった。現地時間7月13日、敵地で行われたヤンキース戦に先発登板した今永昇太(カブス)の投球だ。

 この日の今永は7回(91球)を投げ、被安打2、1失点、6奪三振と快投。唯一の失点は、2回にジャンカルロ・スタントンに失投を弾き返されてのソロアーチを被弾した場面のみ。それ以外では強打者が集う敵打線を見事に封じた。

【動画】敵地も騒然となったジャッジ切り! 今永昇太の奪三振シーン

 そんな日本人左腕が冴えたのは、相手主砲アーロン・ジャッジとの対戦だった。3度の対戦のうち、2打席で空振り三振を獲る圧巻のピッチングで、球界屈指のスラッガーに付け入る隙を与えなかった。

 決してパワーでねじ伏せただけではない。実際、この日の今永が投じた最速は91.7マイル(約147.5キロ)で、平均もメジャーリーグ平均を下回る90.5マイル(約145.6キロ)だった。

 それでも今永がジャッジをはじめとするヤンキース打線をねじ伏せられた理由は何か。一つの要因として考えられるのが、スピンレートの異なる球の出し入れである。

 この日、今永の4シームはMAXで2566回転を記録した。打者にとってみれば、見にくい腕の角度から伸びのあるボールが来ているという印象だろう。一方で決め球に用いたスプリットの回転数は1483しかなかった。

 ただ、この球速帯も83.2マイル(約133.8キロ)しかなかった、回転数が少ない変化球が低めに決まることで、今永は単純な高低のギャップだけでなく、奥行きも活用。さしものジャッジも翻弄したというわけである。

 変幻自在な左腕の快投には、ヤンキースの贔屓メディアも目を丸くする。

 ニューヨークのスポーツ専門局『YES Network』の番組ホストを務めるジム・カリー氏は、「またMVPを獲ろうとしている野球界最高の選手(ジャッジ)に対して、ショウタ・イマナガは球種を巧みに使い分けた」と絶賛。さらにジャッジとの3打席で投じた4シームがわずか4球であったことを伝えた上で、今永の投球術に脱帽した。

「スイーパーが5球、そしてスプリットが4球、1球はカーブだ。そして4シームを投げるのもカウントを有利にした場合だけだった。そうすることでイマナガはジャッジに『なんだよ、こいつ真っすぐは投げてこないぞ』という考えを植え付けた」

 たとえ、100マイル(約160.9キロ)の剛速球を持たずとも、ジャッジのような強打者をねじ伏せる。今永の投球クオリティーは、野球の奥深さを感じさせるものだとも言えよう。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]

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