(14日、第107回全国高校野球選手権奈良大会2回戦 奈良8―6五條) 頭一つ抜け出た188センチの長身が、金属バットを…
(14日、第107回全国高校野球選手権奈良大会2回戦 奈良8―6五條)
頭一つ抜け出た188センチの長身が、金属バットを軽々と振り回す。プレーの前後に体を揺らしてリズムをとり、笑顔が漏れる。
シード校の奈良と接戦を演じた五條の主将、馬石迅(3年)は、チームのムードメーカーだ。
小池直監督によると、「ポテンシャルで勝負する個人プレー」をする選手が多かった。自ら主将を買って出た馬石は、初めは気弱な面もあった。「甲子園に行きたい」と目標を掲げるようになり、試合に勝つために仲間をまとめていった。
この日のチームは点を奪われてもすぐ取り返し、試合は最終回までもつれこむ。勝負に賭ける団結力を見せた。馬石は一回に右越え二塁打を放って先取点をたたき出し、弱点だった守備を無難にこなした。
幼稚園から始めた野球は、大学に進んでも続けるつもりだ。「相手の気持ちを考えて行動したい」。3年間で心も大きく育った。(井上秀樹)