◇女子メジャー第4戦◇アムンディ エビアン選手権 3日目(12日)◇エビアンリゾートGC(フランス)◇6504yd(パ…

吉田優利が2打差7位に急浮上。英語のインタビューも流ちょうに

◇女子メジャー第4戦◇アムンディ エビアン選手権 3日目(12日)◇エビアンリゾートGC(フランス)◇6504yd(パー71)

最終18番(パー5)、奥のバンカーから3打目の吉田優利のライは最悪に近かった。奥のふちに近く、右足はバンカー外の斜面に置かなければならない状況。左足だけでなく、つま先も少し下がっていた。やわらかく上げることは難しく、反対側のバンカーまでこぼれる可能性もあった。

会心のバンカーショットは「あと10年は打てなさそう」

ウェッジを加速させたまま、目いっぱい開いたフェース面にボールを乗せられたことで低く、しっかりスピンの利いた球が出た。ピンそば2mにつけるバーディフィニッシュ。「あと10年は打てなさそうな、すごいショットでした」と笑顔で自画自賛した後で、イメージを超える一打だったことを明かす。「もうちょっとフワッと行く予定だったけど、結果的にうまく行きすぎた。あれもアリだなと勉強しました」

3日間のフェアウェイキープ率は全体1位、パーオン率も3位

締めくくりも鮮やかだったが、そこまでに積み重ねた7バーディも圧巻。山下美夢有と同組のトップスタートで、1番から幸先よくスコアを伸ばした。フェアウェイバンカーへの入り方が悪かった3番は左に引っ掛けたセカンドショットが斜面を転がり落ちてピン下4mほどの好機を演出。このチャンスを逃さないパッティングでいい流れを決定づけた。

「北海道のコースみたい」と初出場のエビアンに戦いやすさを感じる

大会初出場ながら、「すごいアンジュレーションのある北海道のコースみたい」と戦いやすさを感じるエビアンリゾートGC。何より、ショットの状態に不安がないことに尽きる。3日間のフェアウェイキープ率87.18%(34/39)は全体トップ、パーオン率83.33%(45/54)も3位タイ。奥のピンをキャリーで攻め込んで1m強に絡めて獲った16番(パー3)のように、パッティングにストレスをかけないシーンも増えていく。

メジャーで米ツアー初優勝なるか

パー72だった3月「フォード選手権」2日目に並ぶ1ラウンド8アンダー、当時の米ツアー自己ベスト「64」を更新する「63」をマークした。3月の国内ツアー「Vポイント×SMBC レディス」では後続に9打差の圧勝を飾ったが、「例えるなら『首が痛いから首を回さないように打ったら良かった』みたいな。その週だけの最高のパフォーマンスが出た感じだった。今回は自分のゴルフ、自分のスイングで獲れた8バーディだと思う」と違いを強調する。

「こういうゴルフ待ちだった。やっとスタートラインに立てた感じ」という言葉から、米ツアー2年目を折り返していよいよ本領発揮となりそうな雰囲気が漂う。「小細工したり、ミスの許容範囲が広くなってきちゃう感じがあったけど、でも、いい時はこのゴルフでやっていたんで。ここから、ひと皮むけたいんです」。38位から、終わってみれば首位とわずか2打差7位に急浮上して迎える最終日。訪れたメジャー初制覇の大チャンスは、ひたむきに試行錯誤を重ねてきた吉田にとって“突然”ではないのかもしれない。(フランス・エビアン/亀山泰宏)