◇米国&欧州男子ツアー共催◇ジェネシス スコットランドオープン 2日目(11日◇ザ・ルネサンスクラブ(スコットランド)…
◇米国&欧州男子ツアー共催◇ジェネシス スコットランドオープン 2日目(11日◇ザ・ルネサンスクラブ(スコットランド)◇7282yd(パー70)
パーオンを外した15番で、カラーでワンクッションさせ、60cmに寄せてパーを拾った。観客からの拍手に軽く会釈で応えたが、内心は複雑だ。「いまは、学生時代から真逆のゴルフ」。アプローチの引き出しが増えるたびに、桂川有人の心にはモヤモヤが募る。
「ここ数年、得意なはずのアイアンショットが正直、一番しっくり来ていない」。130位から予選通過を目指した2日目も、パーオン率は61.11% (11/18)でフィールド108位。「78」で通算11オーバーとし予選落ちとなった。
どれだけアプローチで粘っても、スコアを伸ばせなければ意味がない。アマチュア時代に得意だったはずのアイアンショットが陰りを見せたのは、2020年のプロ転向の少し前。「もともとローフェード系だったのを、ちょっと球を上げたいと思った」とスイングにマイナーチェンジを行ってからショットの感覚が悪くなった。
ショットを武器にチャンスメークしていた時代は、リカバリーショットの引き出しの少なさが課題だった。「アプローチがうまくなりたいなって、ずっと思ってはいたんですけど…」。アプローチを打たされる機会が増えたこの数年で課題はだいぶ克服したが、本来のプレースタイルを思うと不本意な成長。「ショット力が、どっか行っちゃった。新しい自分を作るのも大事ですけど、どうすれば良いのかわからない」と試行錯誤を続けている。
「1日も早くきっかけをつかみたい…と思っていたら、2年くらい経っちゃいました」と苦笑したが、前週「BMWインターナショナルオープン」では11位に入るなど少しずつ復調の兆しも見えてきた。「あまり深く考えず、(スイングを)いじらないように。自然と良い時の感じが出てきたら」と焦らずプレースタイルを模索している。
ショットの試行錯誤を重ねながら、大きな目標も忘れていない。年間ポイントランキング(レース・トゥ・ドバイ)上位50人によるシーズン最終戦「ツアー選手権 ドバイ」に出場すること。現在ポイントランクは102位。「欧州にいるなら、絶対そこは目指したい。後半戦はポイントも高いので、もう一発、どこかで当てたい」と、強い気持ちは失っていない。(スコットランド・ノースバーウィック/谷口愛純)