第107回全国高等学校野球選手権千葉大会は10日に開幕した。 今年の千葉は春優勝・専大松戸、春準優勝・習志野の両校がリー…
第107回全国高等学校野球選手権千葉大会は10日に開幕した。
今年の千葉は春優勝・専大松戸、春準優勝・習志野の両校がリードしているといわれるが、昨夏準優勝・今春ベスト4の市船橋の戦力は県内随一。市船橋と対戦した他県の強豪校の監督からも「戦力が揃っている」という声があがっている。
3年ぶりの甲子園出場を目指すチームを紹介しよう。
140キロオーバーが4人!県内随一の投手陣!!
まず最大の強みは140キロオーバーの投手が4名もいることだ。
前チームから実戦を経験しているエース・川崎 耕司投手(3年)は怪我により春季大会はベンチ外だったが、大会後から復帰。キレの良い直球を投げ込んでいる。フォームのバランス、カーブの切れ味が良い。練習試合で好投を重ね、この夏は背番号1としてベンチ入りする。
春の県大会準決勝・習志野戦で先発した清水 健士朗投手(3年)は最速143キロの速球、切れのあるスライダーを披露する本格派右腕。この試合では4回2失点に終わったが、安定して140キロ以上の速球を投げる姿に評価が高まっている。
諸岡 杜和投手(2年)が春に台頭した。174センチとそれほど上背はないが、シャープに振り抜く投球フォームから140キロ中盤の速球を投げ込む。春県大会準々決勝でのセンバツ出場の千葉黎明戦で5回無失点の好投を見せた。
島田 侑胡投手(3年)は、春の県大会3回戦の八千代松陰戦で9対8の乱戦を制する4回無失点の好リリーフをみせた最速140キロのサイドだ。制球力が高く、安定した投球が期待できる。
春まではこの4人以外の投手もベンチ入りしたが、夏はこの4名で戦うことになった。チームを率いる海上 雄大監督は「春は川崎以外の投手が頑張ってそれなりに試合を作れたのは大きな収穫です。ただベンチ入りは25人から20人に減り、限られた中で戦わないといけませんので、4人には頑張ってもらいたい」と期待を寄せる。
野手はプロ志望のスラッガーを中心に強力だが…
野手はどうだろう。
軸となるのは高校通算20本塁打を超えるスラッガー・花嶋 大和捕手(3年)だ。プロ志望の花嶋は最も長打が期待できる。フリー打撃で長打性の打球を打つだけではなく、投手がマウンドに登った実戦形式の打撃練習でも花嶋は最も鋭い打球を見せていた。
ほかにも右の好打者・水間 順星内野手(3年)、左のスラッガー・清水 公輔内野手(3年)など潜在能力の高い選手が揃う。それでも、県準々決勝の千葉黎明戦では、4安打2得点、準決勝の習志野戦では、向井 脩人投手(3年)を攻略できず、3安打完封負けとなった。まだ好投手を攻略するレベルにいたっていない。
田中 健人主将(3年)は「自分たちがやろうとしていたことが徹底できなかった。変化球を狙いにいった時に変化球をしっかりと振りにいけなかったり、徹底力が課題になったと思います」と振り返る。
千葉県は、球速はそれほどでもないが、変化球の切れが良く、コントロールの良い投手が多い。雑な打撃をすると打ち崩せない。田中は「自分たちのチームは振っていく中で、タイミングを合わせるのが持ち味なので、それが実践できるようにしたい」と語る。
中心打者の花嶋は「狙い球だけではなく、来た球にもしっかりとアジャストできなければ、安定して打ち返すことはできない」とコンタクト率を高める努力をしている。

甲子園出場した22年より潜在能力は上
自分たちの課題を語る選手たちを見て、海上監督は頼もしさを感じている。
「秋から振り返れば、この春は成長した部分が多くありました。できたこともあれば、反省点も多く出たことも収穫です。選手たちが語った打撃についてですが、最高の打撃はなかなかできません。得点を取るために最低限の打撃、攻撃をしっかりと実行することが大事になります。特に好投手と対戦した時、最低限の打撃の質が悪いのが課題になりました」
その後の練習試合ではどう得点を取るのかを課題において歩みを進めている。
優勝を狙えるチームとして、甲子園出場を果たした22年のチームと比較されることが多い今年のチームだが、海上監督はどう見ているのか。
海上 雄大監督
「22年の選手たちはメンタルが強いというか、ブレなかったですね。彼らはどんな状況でも、リズムがぶれなかった。エラーをしても、点を取られたとしても、野球を楽しんでいました。後半に強いと言われていたチームなんですけど、プレッシャーがかかる場面でもいつも通りにできるメンタルの強さがありました。今年のチームについては打球を遠く飛ばす力、速い球を投げる能力、走る能力の高さは22年よりも上です。ただそれだけで勝利に直結するわけではないので、選手たちが話した『対応力』という課題になると思います」
監督はこうした対応力を公式戦を重ねる中で身につけてもらいたいと考えている。
「甲子園出場した22年のチームもそれができていました。今年のチームは夏の戦いでどう自信をつけられるか。勝ち上がる中で、対応力、メンタル的な強さが身につければいいと思います」
主将の田中は「まず秋、春と優勝できなかった悔しさがあるので、それを挽回できるように頑張りたいと思います」と意気込んだ。
夏初戦は光英VERITASと対戦。いきなり実力校との対戦で、その後も強豪校との試合が続き、シード校の中では最も苦しい組み合わせとなった。勝ち進む中で、優勝候補に相応しいチームへ変貌できるか。一戦、一戦の戦いに注目だ。