◇女子メジャー第4戦◇アムンディ エビアン選手権 事前(8日)◇エビアンリゾートGC(フランス)◇6504yd(パー7…
◇女子メジャー第4戦◇アムンディ エビアン選手権 事前(8日)◇エビアンリゾートGC(フランス)◇6504yd(パー71)
開幕3日前、馬場咲希はアマチュアとして出場した2年前にも訪れたというエビアンの中華料理店に向かった。「でも、なんかカーテンが閉まっちゃってて…」。楽しみにしていたお店で食べられずにちょっとガッカリ…かと思いきや、「メッチャおいしいピザ食べたんで。超、幸せ」と新たなお気に入りを見つけてニッコリ。米ツアー本格参戦1年目でメキメキと力をつける20歳は立ち直りも早い。
「全米女子アマ」覇者として挑んだ2023年大会は予選落ちも、2日目の16番(パー3)でホールインワンを決めて爪痕を残した。池が絡み、細長いグリーンはこのコースらしい傾斜の強さにも特徴を持つホール。「きのう回ったけど、『んっ?』って感じのショットだった。(2年前は)よく入ったな…って」と笑いながら振り返る。
同じコースに来て胸にあるのは、懐かしい思い出だけではない。プロとなり、米下部エプソンツアーでもまれた1年を経て、今季レギュラーツアーで3度のトップ10入り。年間ポイントレースでシードはもちろん、上位60人によるエリートフィールドの最終戦進出を狙える57位につける。
「すごくうまくなったってわけじゃないですけど…」と謙遜しつつ、上げる球しか打てなかった寄せのバリエーションが増えたのは間違いないとうなずく。ランニングアプローチやクッションを利かせるといった新たな引き出しは、ディフェンス力の向上に直結するだけでなく、グリーンを狙うショットへの心持ちにもプラスの変化をもたらしてくれる。
「試合が毎週のようにあると、ショットの調子が悪いから結果も悪い、みたいにはやっていられない。悪い中でもまとめなきゃいけない感じがあるので、そういうところはアマチュアの時よりは良くなっているのかな」
2週前の「ダウ選手権」終了時点のポイントランクにより、今季メジャー最終戦「AIG女子オープン(全英女子)」(31日~/ウェールズ・ロイヤルポースコール)の出場権も確保した。昨年は下部1試合をスキップする形で予選会に挑んだが、聖地セントアンドリュースでのプレーはかなわなかった。「(行ってみて)通れる人数も少ないし、お金もかかって大変だなって思った。出場できることになって、すごくうれしいです」。人知れず経験した多くの苦労が、いまの頑張りにつながっている。(フランス・エビアン/亀山泰宏)